人材業界トレンド 派遣のお悩み相談室

現場じゃ聞けない!派遣営業のお悩み相談室 第6回

皆さま、こんにちは。大手人材派遣会社のD部長です。

新年度が始まり、会社によっては新入社員が入ったり、昇格や異動の季節でしょうか。

組織体制の変更もあり、読者方々の中にも心機一転、ここからまた一年頑張ろう、と思っている方も多いことかと思います。

本日は、そんな新年度に悩みがちな質問が来ていましたので回答させていただきます。

本日の質問

営業部の管理職に今年度から昇格しました。

社内で目標になるようなロールモデルもおらず、今後の自分のキャリアについて悩んでいます。派遣会社の管理職はその後、どのようなキャリアプランがあるのでしょうか。

回答

キャリアプランについては、①社内でそのままキャリアを描くか、②社外で別の環境でキャリアを描くか、の軸でまずは棚卸しをするべき。

その上で、社外の環境で活躍したい場合、自分自身の能力を①知識②スキルの二つで棚卸しすると良い。

大前提の考え方

そもそも、キャリアの棚卸しというのは基本的に定期的に行うべきだと私自身は考えている。

それはただ、自分自身の市場価値を知っておくというような話だけではなく、できれば半年程度のスパンで、「自分自身はこの半年どんなスキルをつけたいか。」等の目星をつけておくべきである。

今回のご相談者様は管理職に抜擢されるような方なので、社内でもいわゆるデキる人として評価はされており、またキャリアプランをどうするかといった問題意識も感じているようなので、そのような癖はついているのかもな、と推察しています。

しかし私の経験上、せっかく良い経験を重ねているのに、日々の業務に追われて気付けば目的意識もなく漠然と年月を過ごしているという社員は少なくないと感じている。

基本的な考え方としては、2~3年後にありたい姿(ここは仕事でのやりがいだけでなく、ライフステージや働き方等のバランスも鑑みる必要はある)を設定して、その中で逆算をしていくような考え方で行うと良いだろう。

その上で、自分自身が社内でキャリアを進めたいのであれば、明確目標を設定すれば良いし、社外に出たいのであれば粛々と準備を進めれば良い。

社内でキャリアを描く場合

ここは企業によって人事制度が異なるのでなんとも言えないが、営業部となると基本的なキャリアパスは営業部長になる、もしくは別部署の管理職になる、もしくは営業のスペシャリストとして地位を確立する、くらいだろうか。

企業によって任せられ方も異なるが一般的にいうと、身に付くものは下記だろう

  • 部長になった場合:マネジメントするレイヤーの広がり、事業に対する俯瞰的な視点、組織全体の戦略に携わる経験
  • 別部署の管理職になった場合:他の汎用的なスキル(バックオフィス等のマネジメント経験等)
  • 営業のスペシャリストになった場合:特定領域での深いスキル、派遣業界への深い理解

個人的な考え方としては、特に強烈にやりたいことがある、というわけでもない場合は部長になることを想定する方が良いのではないかと考えている。

別部署の管理職、もしくは専門家になった場合、派遣会社でキャリアを描く際には非常に便利な存在となる。一方、今まで営業畑でキャリアを積み、管理職のキャリアを目指したい、マネジメントスキルを身に着けたいのであれば、そのまま営業部でのキャリアを描いていく方が目的達成のための効率はいいだろう。

社外でキャリアを描く場合

社外でキャリアを描く場合、現在の転職市場を見ると、営業の管理職レイヤーであれば転職することはそこまで難しくないだろう。

とは言ってもどのような会社でどのようなフェーズの会社に行くかを選択することは、実は意外と難しい。

ではどのように考えると良いか。先にも述べたように、どういった①業界に対する知識②業務上のスキルを持っているか、の2点で棚卸しをすることから始めると良い。

①業界に対する知識

基本的に市場で評価される知識としては、業界に関する知識が主なものとなるだろう。

人材業界の中でも派遣業界は法律や暗黙知など様々な知識が必要になるため、同じポジションであれば転職はしやすい傾向にある。

その中で労働法に深く精通している、特定業界を担当しており内部事情に精通している、中小企業診断士等の公的な資格を保持している等も評価の対象になる可能性はあるだろう。

②業務上のスキル

スキルに関しては、営業メンバー時代とマネジメントレイヤーでつくスキルは異なる。また、単に字面だけ追うと

  • 営業レイヤー:新規/既存営業、契約締結、請求対応、派遣スタッフのフォロー 
  • マネジメントレイヤー:メンバーの進捗管理、モチベーションコントロール

等々、あまり他の求職者と変わらないものとなってしまう。

例えば新規営業の経験一つ取っても、

  • 中小企業相手にリストへの架電等を中心に行なっていたのか
  • ある程度のスパンを見越して大手企業を資産化することに注力してきたのか。

で実際に必要なスキルは異なる。既存営業でも同様に

  • 自社のシェアが少ない企業に対してひっくり返しにいく営業なのか
  • 自社のシェアが高く、守りを中心に行なっていたのか。

でも身にで身についたスキルも異なるだろう。

マネジメントレイヤーについても、

  • 既存メンバー中心の営業組織で既存顧客の拡大中心の組織か。
  • 若手が多くKPIマネジメント中心の組織か。

によって異なるのは至極当然で、例えばそこに加えてメンバー数や、契約形態等の差によってもマネジメント層としてつくスキルは異なってくる。

自分自身が今時点の業務でどのようなスキルがつくのか、その上で自分はどのようなキャリアの方向性に進みたいのか、ということは見越した上で棚卸ししておくと良いだろう。

最後に

ということで、私自身が見てきたり考えてきたケースを元にキャリアの選択について私見を述べてきたわけではあるが、人材業界に勤めている皆様なら重々承知ではあるとわかっていると思うが、結局最後は自分がどんなキャリアを積みたいのか、に尽きてしまう。

それこそ、私自身は何度も会社を辞めようと思った経験もあれば、自分のキャリアはもっと他の会社にあるんだ!と自己研鑽に励んだ時期もある。

ありがたいことに、その節目に社内外含めキャリアを積まれてきた諸先輩方と壁打ちをしたり、時には新たなポジションを提供してもらうこともあり、気付けば長くずっとこの派遣業界にいる。

あくまで一つの考え方として、自身のキャリアを棚卸しすることをはオススメする。とは言っても、私自身もその通りのキャリアを順調に歩んでいるわけでもなく、むしろがむしゃらにやったからこそ、自分の見えなかった強みややりがいを感じた経験も少なからずある。

是非とも相談者の方は、自分自身の一定のキャリアプランを頭に置きながら、ぜひ新しい職務へのチャレンジも同時に楽しんでいただければと思う。

まずはお気軽に資料請求!

まずはお気軽に資料請求!

マッチングッドは、人材派遣会社の
工数削減・生産性向上を叶える
クラウド業務管理システムです

CTR IMG