人材業界トレンド 派遣のお悩み相談室

現場じゃ聞けない!派遣営業のお悩み相談室 第5回

  • 公開日: 最終更新日:

皆さま、こんにちは。大手人材派遣会社のD部長です。
派遣営業って、本当に大変ですよね。新規顧客開拓もしながら、派遣先企業とスタッフの間に立ち、調整も必要です。そんな頑張るみなさんの力になりたいと開始した「派遣営業のお悩み相談室」。今回は営業担当のモチベーションのお悩みです。

本日の質問:営業メンバーのモチベーションを上げるには?

派遣営業チームのリーダーをしています。営業メンバーのモチベーションをあげる取り組みを教えてください。

少人数な会社なので派手な表彰もできず、派遣営業メンバーがどんなに頑張っても、いつも褒めるだけになってしまっており、不満に思っているのではないかと悩んでいます。

回答:モチベーションをあげる意味を考えよう

そもそもモチベーションをあげて変えたいこととはなんだろうか?
KPI(重要業績評価指標)の達成だろうか? それとも離職防止? それとも、部下との人間関係だろうか。

大前提の考え方

モチベーションをあげたいと思った理由をしっかりととらえる必要がある。例えば下記のような、モチベーションに起因しそうな課題があるからかもしれない。

  • 離職率が高い
  • 社員のパフォーマンスが上がらない(上がらなくなった)
  • 言われた通りのことしかやらない

今回の質問は、もしかしたら課題と感じているというよりは「頑張った社員のモチベーションをもう少しあげてあげたい」と思っていて、漠然と問題があるなと感じているくらいのフェーズなのかもしれない。

背景が漠然としているので、今回は「体制、制度等を変えずに基本的には日々のコミュニケーションベースでメンバーのモチベーションを管理するにはどうすれば良いか」という観点で私なりの見解をまとめていきたいと思う。

メンバーのモチベーションが上がるタイミング

そもそも人のモチベーションはどのタイミングで上がるのだろうか。

人によって千差万別ではあるものの私が見てきた中だと下記の中に分別されるように思う。

  • 誰かの役に立ったと感じた時
  • 頑張りが認められた時
  • 成長実感を感じた時
  • 報酬が上がった時
  • 目標を達成した時
  • 組織内で必要な存在であると認められた時

人によって差はあるものの、基本的に上記6つの項目のいずれかは少なからず持っているものである。特に人材業界に従事している人間は、1つ目の社会貢献性を重視している方も多いのではないだろうか。

モチベーション管理で忘れてはいけないこと

先の項目にモチベーションが上がるポイントを記載したが、陥りがちなのは「頑張りが認められた時にモチベーションが上がるメンバーがいるから、チーム全員でナレッジ共有の時間を作ろう」等の施策を打ってしまうことだ。

効果が全くないとは言わないものの、先にも述べたようにモチベーションが上がる要素は人によって異なり、かつ複数ある。上記の施策の効果は、モチベーションの軸として頑張りが認められた人かつ実際に成果をあげた人、もしくは頑張りが認められたいという要素が非常に高い社員くらいである。そう考えると、意外と他の社員のモチベーションアップには効いてこないケースが多い。

大切なのは「メンバーひとりひとりのモチベーションを感じるポイントはどこなのか。その中でどのような役割を与えフィードバックを行うのか」を考えることである。

具体的な方法

まずスタートとして、メンバー個々人がどこにモチベーションを感じるのか理解することが重要である。

ここで気をつけたいのは、「メンバーが本当に感じていることを引き出すよう、様々な角度から検証する」ことである。上司の前となると、ある意味肩の力が入ってしまうメンバーも多くいる。本当は給料が上がるとモチベーションが上がるのに、上司の前では取り繕って耳障りの良いモチベーションを語ってしまう可能性もある。

上司のあなた自身も少なからず、人間らしいモチベーションを持っているだろうから、そういったものを先に自己開示することも一つの手だろう。

メンバーを理解した上で、上司のあなたがするべきことは、「特性に応じてメンバーに役割やミッションを与えること」である。例えば給料が上がるとモチベーションが上がるメンバーに対しては、どうやったら出世できるか、会社から評価が上がるかの道程を示した上で定期的にフィードバックする。

私の実体験だが、組織内で必要な存在であると認められた時にモチベーションが上がるメンバーには、例えば所属組織のスタッフ再稼働率を向上させるプロジェクト等、組織全体に影響を与えるミッションを与えることで、それ以外の業務パフォーマンスも上がる可能性がある。

その上で、できる限り上記の評価軸を定性的なものだけでなく定量的にも検証できるよう設定することをオススメしている。というのも、ミッションや役割はどうしても全員に平等に与えることはできない。そして、定性的な評価にのみ終始してしまうとメンバー間の中で不平等感を感じ、結果として組織全体のモチベーションが下がる可能性も孕んでいる。客観的な評価を指標とすることで納得感を持ってフィードバックを実施することができる。

加えて、もし可能であれば評価・報酬制度も連動させるとなお良いだろう。

先に述べた組織全体のスタッフ再稼働率の向上であれば、前年比○○%上昇という定量的な目標も持たせる。評価・報酬制度は、再稼働率の昨対上昇率1〜3%はC評価、4〜6%はB評価…といった具合に幅を持たせて評価すると良い。定性的な目標に関しても同様で、設計した運用が組織にどれだけ浸透しているかを段階的に評価できるよう設定する。

最後に

と、ここまでモチベーションの違いや役割の与え方として色々と記載をしてきたが、私自身様々な施策を行い、成功も失敗も多く経験してきた。その上で個々のモチベーションの源泉を見極めた上で役割を与え適切なフィードバックを行うことは基本的にどの組織でも効果が高いように感じている。離職率もある程度低くなり、KPIもそれなりに安定する。上の方法はある意味、誰でもできる、かつそれなりのパフォーマンスを出すことができるものだ。

ただ、私自身が他組織を見てきた中で、メンバーのモチベーションがとんでもなく高い組織には一つの共通点がある。それは「何が何でも成果を出すことにコミットしている組織」である。そしてその組織の長は、「自分の部下たちの給与をあげること」にコミットしている。

給与をあげるためには成果を出す必要がある。成果を出すと派遣スタッフや顧客からの感謝も増え、自分自身の頑張りも認められ、組織内でポジションも取ることができ、先に述べたようなモチベーションの多くはほとんどが網羅される。

一方、管理職としては時にはメンバーに対して厳しいことをいう必要もあり、自身も相当な覚悟を持つ必要がある。

どのような選択肢を持つかは最終的にみなさん次第ではあるものの、結局モチベーションをあげることで何をする必要があるか、そして読んでいる皆さんがそれによってどうなりたいのか、どんな果実を得たいのかを考えた上で選択をしていただけると良いかと思う。

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連載:現場じゃ聞けない!派遣営業のお悩み相談室

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