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【テンプレート付き】人材紹介推薦状の効果的な書き方とは?例文や注意点を解説

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人材紹介における推薦状とは、求職者を応募先の求人企業に紹介する際に、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどの担当者が作成する書類です。

推薦状には、求職者の職歴やスキル、能力、仕事のパフォーマンスといったメリットのある内容をまとめて記載します。履歴書や職務経歴書ではすぐに理解できないようなスキルや経験をプッシュするのに役立ちます。

推薦状次第で、求職者の方の書類通過の確率を上げることができるだけでなく、合否の判断材料にもなる場合があります。推薦状こそ、キャリアコンサルタントが転職支援する価値を発揮しやすい転職のプロセスですから、人材紹介会社の矜持として、力を入れたいところです。

そこで今回は、人材紹介推薦状の効果的な書き方と注意点などを徹底解説します。

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人材紹介における推薦状とは?

人材紹介における推薦状とは、求職者を求人企業に推薦するための文書のことです。

通常は、求職者が登録する転職エージェントの担当者が、求人企業に対して書くのが一般的です。

推薦状には、候補者の職歴、スキル、能力、仕事のパフォーマンスなどの情報が含まれており、なぜその人を推薦するのかを記載します。

推薦状は、求人企業が候補者をより深く理解し、採用面接に進むかどうかを決定する書類審査を優位にするのに役立ちます。

推薦状の役割

人材紹介における最も重要な推薦状の役割は、履歴書・職務経歴書だけでは伝えきれない求職者の魅力を補完し、採用担当者の選考プロセスをスムーズにすることです。 単なる情報提供ではなく、「なぜこの求職者を自社に採用すべきか」という説得力のあるストーリーを伝えるツールと定義することで、推薦状の本質的な価値を強調します。

求職者に関するさまざまな情報を、「推薦状」という形で応募先の採用担当者に伝え、候補者の適性や能力を適切に評価してもらえるよう、書き方には工夫を凝らしましょう。画一的な表現ではなく、求職者一人ひとりの特長・強み・個性を捉え、丁寧に記載していくことで、面接や就職に向けた選考プロセスを引き上げることができるでしょう。

推薦状に記載する内容は、求職者の職歴やスキル、能力、仕事のパフォーマンス、資格などの情報です。応募先の企業は、これらの情報をもとに、求職者が求めるポジションに適している人材かどうかを判断します。

推薦状があることで、応募先の採用担当者は、候補者の面接に向けた選考プロセスをスムーズに進めることができます。

推薦状に記載すべき内容

人材紹介における推薦状に記載すべき内容には、次の4つに留意しましょう。

  • 推薦理由
  • 転職理由
  • 人材の基礎情報
  • マッチングの根拠

それぞれ解説します。

推薦理由

人材紹介事業者が推薦状を書く際は、まず「就職希望者を求人企業に推薦する理由」を明確にすることが大切です。

そこで重要となるのは、求職者のキャリアやスキル、能力がいかに応募先の企業の業務にマッチするかといったポイントを明記することです。

推薦状を書く際の基本は、短い文章で、明確に人物の特徴を伝えることにあります。そのため推薦理由には、キャリアやスキル、能力はもとより、求人企業が求めている人材像を深く理解し、そのペルソナに合わせた人柄や性格を推薦理由にあげることも重要です。

転職理由

推薦状に転職理由を記載する場合は、書いてメリットのある理由とならない限りは記載しない方が良いでしょう。

例えば、転職した(又は、したい)理由が「人間関係の拗れ」や「自分の仕事を周りが認めてくれない」といった場合には、協調性がなく、信頼されにくい性格と判断される可能性があります。

一方で、これから転職することで「もっとキャリアアップしたい」や「これまでに身につけたスキルや新しく習得した知識をより活かせる企業で働きたい」といった転職理由であれば、求人企業が向上心の強い、魅力のある人材と評価してくれるでしょう。

このように、転職理由を記す場合は、メリットとデメリットを見極めて記載するかどうかの判断をすることが大切です。

人材の基礎情報

推薦状に記載する人材の基礎情報とは、求職者の経歴や保有資格などですが、ただすべてを列挙すれば良いというわけではありません。

推薦状は、できるだけ応募先の企業で役立つ経歴や資格を、分かりやすく書くことが重要です。

不要な経歴は簡単に記すか、情報が多くなる場合は適度に整理・削除しても良いでしょう。

マッチングの根拠

なぜこの会社に推薦するのか、求職者のスキルや経験が、求人票の「必須スキル」「歓迎スキル」とどう一致するかを具体的に記載します。

単なる適正だけでなく、企業の課題に対して求職者がどう貢献できるかを具体的に示し、採用担当者の「採用するメリット」を明確にします。例えばプロジェクトの進捗が悪く、人間関係や組織の問題に悩みのある企業に求職者を推薦する場合、「穏やかな人柄」といった抽象的な表現では、問題を解決するイメージがわきません。

「チームでの協調性を重視し、相手を尊重しながらこまめなコミュニケーションを重ね、遅延していたプロジェクトを予定どおり成功に導いた経験を持つ」など、具体的なエピソードを盛り込むことで、この求職者なら企業の課題を解決してくれるのではないか、自社とマッチしているのではないか、とイメージしやすくなります。


人材紹介の推薦状の書き方と例文

それでは次に、人材紹介の推薦状の書き方と例文を紹介します。

能力や得意分野、実績を具体的に書く

推薦状では、求職者の能力や得意分野、実績を、具体的に分かりやすく書くことが大切です。

そこで、以下の例文をご紹介させていただきます。

貴社が今回採用するポジションには、〇〇能力を重視されていると伺いました。

そこで〇〇(推薦求職者)様であれば、貴社の採用趣旨に合致するのではないかと考えて推薦させていただきます。

〇〇様は、現職において、〇〇(数値を含めて具体的に記載)という実績を上げたご経験があるからです。

また〇〇様は、〇〇を構築するプロジェクトリーダーを務めた経験もあるため、貴社の採用ポジションにかかわるメンバーの方々をまとめ上げていくような活躍も期待できると考えております。

紹介先のメリットを書く

もし推薦する求職者に上記のような能力や実績がなくても、推薦状に「紹介先の企業にとってどのようなメリットがあるか」を記載することで、より採用担当者に刺さる推薦状にすることが可能です。

このような場合には、次の例文を参考にしてください。

◯◯様は、大学を卒業後に現職の◯◯株式会社へ入社し、営業部でフィールドセールス業務を約3年間担当されました。その後、東京に転勤してからは、営業部の責任者としてマーケティング業務を含めた幅の広い業務を担当されています。

このように、◯◯様は、新人で知識や経験のまったくないところからスタートし、2年後には責任者として営業業務の全般を任されています。

自ら積極的に勉強し、周囲の協力を得ながら業務を遂行していることが、貴社へ◯◯様を推薦させていただく第一の理由です。

仕事をする過程においては、常に今の業務がなぜ必要なのかを考え、改善できる部分を効率化することを意識するなど、物事の本質を理解している方だと感じています。

また人柄についても、穏やかで落ち着きがあり、誰とでもコミュニケーションを取ることができるお方です。是非一度、直接ご面談をお願いしたいと考えております。

実際にあったダメな例文

以下では、実際にあったダメな推薦状の例文を紹介します。

  • 転職した回数が多いため、さまざまな経験が多いというメリットがあります。
  • 若くて元気があり、やる気もあります。
  • 前職での人間関係の拗れが退職の理由ですが、明るくて感じの良い方です。

上記は実際に転職エージェントのキャリアアドバイザーが書いた推薦状の一部です。

一見すると意味があるように感じますが、文章の根拠が示されておらず、受け取った企業の採用担当が採用を見送る内容と言えるでしょう。

人材紹介で推薦状を書く際の注意点

テンプレートを使う

人材紹介で推薦状を書く際には、これといった決まったフォーマットはありません。

しかし、効果的な推薦状を書くためには、専門的な知識を持ったプロが作ったテンプレートを活用するのがおすすめです。

人材紹介における推薦状のテンプレート・ひな形に関しては、人材派遣と人材紹介を専門とするDiSPA!からダウンロードできる「推薦状」がおすすめです。

DiSPA!の「推薦状のテンプレート」は、DiSPA!の「帳票テンプレート」のページ内「人材紹介会社様向けテンプレート」からダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

記入事項を漏れなく書く

推薦状には、決まったフォーマットや記載事項はありません。

そのため記入事項を漏れなく書くためには、まず推薦する理由や推薦先へのメリットを、箇条書きに書き出しておくことをおすすめします。

必ず書くべき記載事項は「その人物を推薦する理由」や「採用することで得られる推薦先へのメリット」です。

>>具体的に解説! 面談で求職者の魅力を引き出すコツとは?

紹介する人材と企業を確認する

推薦状を書く前には、必ず「紹介する人材と企業を確認する」必要があります。

本当に紹介する人材と企業がマッチしているかを確認せずに推薦状を書くと、途中でミスマッチに気づくケースがあるかもしれません。

ミスマッチに気づいた時点で推薦を取りやめれば、求職者からの信頼を失う可能性がありますし、無理に推薦すれば企業からの信頼を失う可能性があります。

このように、人材紹介事業者にとっては、求職者と企業の双方からの信頼が最も大切です。

そこで、求職者と求人企業のマッチングを行う際は、より慎重に確認作業を行うようにしましょう。

採用担当者が最も重視している推薦状の3つのポイント

それでは最後に、求人企業の採用担当者の心に刺さる推薦状のポイントを紹介します。

採用担当者の心に刺さる推薦状を書くには、次の3つのポイントを押さえることが大切です。

  • 「採用後の活躍」がイメージできるか
  • 「面接で深掘りすべき」ポイントが示されているか
  • 「信頼できる情報」が記載されているか

それぞれ解説します。

「採用後の活躍」がイメージできるか

採用担当者が採用後の活躍がイメージできるようにするには、何が必要でしょうか?それは求人企業のペルソナマッチです。ペルソナマッチとは、求人企業が欲しい人材のペルソナ(人物像)にマッチした人材であるという意味です。これを推薦状で分かりやすく伝えることで、入社後にどのように活躍してくれるか、イメージしやすくなります。

【例】
求人企業のペルソナ:新規事業の経験ある方。営業経験は浅くても良いので、目標売上を120%以上向上させた実績を持つ方

良い推薦状の例:営業経験2年で売上を150%向上させた経験があり、貴社の新規事業拡大に貢献できるスキルをお持ちです。

悪い推薦状の例:営業経験が豊富で、貴社に貢献できるでしょう。

推薦状で求人企業の採用担当者のニーズを満たすには、実際に人材紹介を行うキャリアアドバイザーが、企業の欲しい人材やポストを深く理解することが重要です。

そこで求職者へのヒアリングだけでなく、自社の企業担当者ともしっかりと連携し、求人企業の求めるペルソナ像を人材管理ツール等で共有しておくことで、双方のマッチング精度を高めることができます。

「面接で深掘りすべき」ポイントが示されているか

採用担当者が面接をスムーズに進められるよう、求職者の強みや弱み、転職の背景など、面接で確認すべき事項を推薦状に記載します。

また採用担当者は企業の文化に合うかという点も重視しています。これをカルチャーフィットといい、新しい環境や文化に適応することを指します。

面接では求職者が求人企業についてどれだけ調べて面談に臨んでいるのか、深堀りして聞くことがあります。推薦状でカルチャーフィットしていることがわかるエピソードを入れておくと安心感が高まります。近年は、仕事にやりがいを求めて転職する方も多いため、企業が採用を行う際に求職者とのカルチャーフィットを重視する傾向が高まっています。なぜなら、せっかく採用した人材がすぐに離職してしまうと、採用にかかる時間や手間といった採用コストが無駄になるからです。

「信頼できる情報」が記載されているか

曖昧な表現(「やる気があります」「明るい性格です」)を避け、「応募企業への熱意」や「転職の軸」を具体的に記載します。

求職者の応募企業への熱意が高い場合は、スキルが見合わないなどマイナス評価があったとしても、情熱や他のスキルによって覆すこともあります。過去の経歴や保有資格だけでなく、仕事以外でもボランティア経験や、何らかの大会出場経験、コンテスト受賞経験など、人柄が伝わる記載漏れがないか、信頼性の高い情報を提供することで、人材紹介会社自身の信頼度も高まります。

これにより、採用担当者は「この人なら会ってみたい」と強く感じます。

そこで推薦状を書く際は、求職者と応募先の企業のペルソナマッチと、カルチャーフィット、信頼できる人柄の情報などについての客観的な根拠を示すのがおすすめです。

人材紹介の推薦状のまとめ

このように、人材紹介において、効果的な推薦状を書くことは非常に重要です。

そこで、本記事で紹介したDiSPA!の「推薦状のテンプレート」を活用することで、推薦状の質が向上し、内容が充実するでしょう。

このテンプレートを基に、紹介する人材の優れた点や、人間性を客観的にほめることで、自然と良い推薦状を書きあげることができます。

DiSPA!の「推薦状のテンプレート」は、DiSPA!の「帳票テンプレート」のページ内「人材紹介会社様向けテンプレート」からダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

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