人材業界トレンド 挑戦する派遣・紹介会社たち

ケニアの若年層へ就労支援を!チャリティーランとキリマンジャロ登頂へ挑戦

世界最大クラスの人材サービス企業であり、「D&Iアワード2022」より最高評価のベストワークプレイスに認定 (2023年2月)され、「世界で最も公平で専門性の高い人材サービス会社」を目指すランスタッド株式会社。

今回は、国境を越えてケニアの若年層の就労環境支援に繋がるチャリティーラン&ウォーク「ランソン2023」と、キリマンジャロ登頂チャレンジについて、実際にキリマンジャロ登頂を控える栗原氏にお話を伺いました。

走行距離に応じて寄付金を募る「ランソン2023」

ーまずは、栗原様のご経歴や現在の業務範囲を教えてください。

栗原氏:明治大学法律学部を卒業後、法律事務所で弁護士補助業務をしていました。その際に法曹資格の取得を目指していましたが、結婚や4人の子供の出産というライフステージの変化を通して育児に専念することになりました。

その後、パートタイムワーカーとして小学生向けの児童英会話講師や、法律事務所などでの司法書士補助者および経理事務として勤務した後、フジスタッフ(現ランスタッド)のコールセンターで週3日、派遣社員として勤務を開始いたしました。そこで正社員登用のお声かけをいただき、入社することになりました。

その後は2つの支店でコーディネーターや管理者として勤務したあと現在のリーガル&コンプライアンス本部に異動になり、契約書レビュー、行政提出書類作成、リスク統制のためのデータチェックなどをしております。現在は行政書士資格を活かし、外国人登録者の在留資格周りの管理も行っています。

ー今回開催されている「ランソン2023」について教えてください。

栗原氏:「Randthon 2023(ランソン2023)」とは、6月9日(金)から18日(日)にかけて弊社が実施しました従業員チャリティーラン&ウォークです。期間中のランスタッド従業員のラン/ウォーク距離1kmにつき100円を、就業支援パートナーとして提携しているNGO法人VSO*1 の活動にランスタッドから寄付します。

*1 Voluntary Services Overseas: 海外ボランティア活動。イギリスのボランティア団体の名称

都内では初日の6月9日(金)に「ランソン2023」の開始を記念して総勢約30名でのラン&ウォークも実施しました。

ランスタッド日本橋支店をスタートし、両国国技館、スカイツリー、雷門、上野公園、武道館などを廻り、東京駅へ向かいます。ランスタッド従業員によるチャリティーラン&ウォークは昨年に続き2回目で、社員やその家族・知人がランスタッドTシャツを着用してラン&ウォークを楽しみながら、援助を必要とする国や地域における若年層の就業問題について話し合いました。

そして、その達成距離に応じて会社から寄付を行います。今年は達成距離に応じた金額に加え、昨年のランソンTシャツを再利用する社員の人数 × 2000円も加えてVSOに寄付します。

ラン&ウォーク中に語り合われた「援助を必要とする国や地域における若年層の就業問題」とは、どのような内容でしたか?

栗原氏:海外の諸問題に目を向けている人はまだ少なく、国内の様々な地方の就業問題についてが多かったです。また、やはり求職者の集客が課題となっているという声が目立ちました。

ご存知の通り、人材不足により求職者獲得ができない企業がある一方、全ての派遣労働者が望む仕事に就けるわけではありません。そんな状況において縁あって就業された方には長期で継続して欲しい。そのために望ましい環境を整えたいと思っても、根本原因についてクライアントと認識の齟齬が起こってしまったり、実現できないこともあります。

そういった問題に対して我々はどのような提案ができるのか、例えば8時間の人材1名の確保が難しければ4時間×2名といった提案が出来れば、就業環境や労働条件において違う視点もあるということをクライアントに伝えられます。

私たちランスタッドは、労働市場におけるエクイティ(公平性)の実現を目指しています。働き方の多様性を提案することでクライアントの意識改革が出来ないか、ということも話し合いました。

キリマンジャロ登頂とケニアの就業支援

ーランソン2023で集めた寄付金はどのように活用されるのですか?

栗原氏:今回のチャリティーランによって集められた資金は「キリマンジャロチャレンジ2023」というランスタッドグローバル主導のCSRプロジェクトに全額寄付されます。

このプロジェクトは、VSOがケニア若年層の就労支援の活動資金を得るため、世界中の参加者25名が寄付金を募るCSR活動です。

そのプロジェクトの一貫としてアフリカ大陸の最高峰であるキリマンジャロ(標高5,895 m)に登頂するというチャレンジ内容からこの名称がつけられております。日本からの登頂参加者は私を含め3名となりますが、私たちが200万円の寄付金額を集めることがキリマンジャロ登頂の参加条件なのです。

また、日本においては寄付金を募ること自体にも二つの意義があると考えています。

一つ目は海外における同年代の就労環境について目を向けるきっかけとなることです。経済途上国の就労問題について日本人が目を向けることはまだまだ少ないと思うので、これが問題提起に繋がると感じています。

もう一つは寄付金に対する意識改革です。海外と比較すると日本は寄付金に対してマイナスのイメージがあると感じています。寄付をする側は偽善と捉えられたり、募る側も「そこまでしてお金が欲しいのか」と見られたりすることもあります。

グローバル企業であるランスタッドが諸外国の就労環境についての問題提起をしたり、寄付金の使われ方を示すことに意義を感じています。

今回は、従業員が寄付金を一人一人自由に金額設定し、給与から控除することもできます。さらに、この寄付金は社外からも広く募集をしております。もし賛同いただける方がいらっしゃいましたら協力してくださると嬉しく思います。

▽寄付金受付ページ

https://www.kilimanjarochallenge.nl/fundraisers/tamiko-kurihara

ーケニアにおける若年層の就労環境を取り巻く課題はどのようなものがあり、集めた寄付金をどういった支援活動に繋げるのでしょうか?

栗原氏:ケニアでは失業率が12.7%で、世界的に見ると高すぎる訳ではありません。ただし15〜34歳の若手労働力の失業率は67%にも及びます。その原因の1つに、若年層が労働に対するスキルを一切持たないまま労働市場へ放り出されるという状況があります。また就労以前の問題として、貧困地域の若者は学校を中退したり、虐待を受けていたりなど、そもそも学校へ行くことさえもできていません。。

このような学ぶ機会がなかった方々に対してVSOは、再生可能エネルギー事業や農業などのグリーンジョブ *2への就労支援をしています。ケニアにある施設で18〜25歳くらいの若手がジョブトレーニングとして実際の施設の中で農業を実際にやってみたり、廃棄物リサイクルの方法を学んで身に着けていったりしています。

*2 環境への負荷を持続可能な水準まで低減させながら、事業として採算がとれる雇用、およびその仕事のこと

こういった就労支援のために今回の寄付金を活用していきます。私たちもキリマンジャロ下山後、ケニアに行って2泊3日で実際に現地を視察する予定です。

ーランソン2023はどのように企画されたのですか?

栗原氏:弊社はボトムアップの文化が根付いており、今回も会社がトップダウンで企画したものではなく、会社のメンバーが「チャリティーを行いたい」と企画し経営層に申請し、予算承認を得て実現したものです。

ランソンは去年も実施しており、今年もパワーアップさせて実施しようと私含め3名で企画しました。

キリマンジャロチャレンジチームの中にはもちろん登山好きもいますが、私自身はほとんど登山の経験がありません。それでもアフリカ最高峰のキリマンジャロ登山に挑戦しようと考えたのは、私の子ども含め現代の子ども達に、日々努力し困難に挑戦する姿を見せたいと思ったからでもあります。

そのため、最近は走行距離を競うゲームなどを使って日々トレーニングをしています。

去年登頂チャレンジに参加していた安田も、トレーニングを重ねておりました。

安田氏:私は去年、同じように登頂チャレンジとしてキリマンジャロの隣にあるメルー山 (標高4,562m)に2泊3日で登ったのですが、そのときはトレーニングの一環として毎日、21階のオフィスまで階段で10分かけて上り、SNSで報告するというトレーニングをしていました。

なかなか大変でしたが、そのおかげで無事に登頂することができました。

今後、CSRの一環として行う予定の活動があれば教えてください。

栗原氏:私個人はジェンダー平等を実現する社内のチームに入っており、その活動の一環として3月の国際女性デーに合わせて毎年イベントを行っています。今年は弊社の派遣先であるクライアントとオンラインイベントを共催し、そのクライアントに勤める弊社や他社様から就業されている派遣社員の皆さま、派遣先の担当者の方など多くの方々に参加していただきました。

世界で発生している問題をクイズ形式で問いかけて回答率上位の方にプレゼントを差し上げたり、イベントの前に社員に実施した「ビジネス現場にまだ残る不適切な場面」についてのアンケートを基に、今私たちにできることについてビジネス部門のリーダーたちが率直にディスカッションしました。

これは社会的な背景やこれまでの慣習によるものであっても、ランスタッドとしていかなる差別も許容しないというポリシーを守るためのもので、この活動は毎年3月に行っていく予定です。

また、東京レインボープライドという6月に開催されるLGBTQのイベントにも2022年、2023年と参加いたしました。

人材派遣・人材紹介事業の価値とは

ー栗原氏の考える人材派遣・人材紹介企業の価値とは?

栗原氏:現場で経験した印象的な事例を紹介させてください。複数社合同の登録会に参加された20代半ばの男性に職業紹介をした事例です。

他社様からは仕事のご案内がない様子で、私も最初は仕事の継続性に疑問を感じていました。しかし本人のポテンシャルを信じ、思い切って紹介予定派遣の案件をご案内したところ、結果としてその方は6ヶ月の派遣契約を無事に満了され、派遣先の正社員として雇用されました。誰もが知る大手企業で、管理者へのステップアップも望めるポジション、かつ年収も良い求人でした。

当初うつむきがちだった彼は、紹介成立時には目に見えてハキハキされ、自信を取り戻されたのだな、と感じました。

この経験から、私たちが社会において仕事をするということは報酬を得ることだけにとどまらず、人としての尊厳や社会性を保持するために本当に重要なのだと、私は人材派遣・職業紹介という仕事に大きな価値を感じました。

今、管理部門で働きながら派遣会社の価値について思うことは、私たち人材サービス会社は労働市場におけるED&Iの牽引者となれるのではないかという事です。

例えば、メーカーなどの大企業は何万人という労働者がいても、皆がその会社の営利という同じ企業目的、つまり1つの方向に向かっていますよね。

でもランスタッドはそうではありません。3万を越える労働者がそれぞれの派遣先の企業目的に沿った活動をしています。つまり様々な方向に向かいながらも1つの母体として成り立っているのです。大きな会社でありながら多様性を抱合した、ED&I先進企業と言えると思います。私たち人材サービス会社は、労働市場における多様性を推進し、社会に貢献できる、価値ある企業だと感じています。

ー派遣会社で働く方たちへのメッセージをお願いします。

栗原氏:ランスタッドは社内従業員の人材育成文化が強い会社です。現在の上司も人材育成に非常に注力しており、私だけでなく全てのメンバーに「成長するにあたって必要な全てのサポートをする」というスタンスでいてくれています。

例えば、法曹資格は取得するのに高額な費用がかかってしまうのですが、以前は会社からの金銭的な支援はなく、個人で資格を取得することにハードルを感じていました。それを上司に相談してみると、業務上必要な資格であるにも関わらず社内で保有している人材がいないと人事部に説き、会社が費用を全額補助してくれることに決まったのです。実際に取得してみるとやはり業務上のメリットが多くありました。

会社が社員を支援する制度が整っていれば、自分のスキルを上げる新たなチャレンジもしやすくなりますよね。

従業員の育成は会社の成長の土壌となると体感し、弊社の根本にある人材育成を大切にする想いは大きな魅力だと思っています。

そんな弊社にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記の採用ページからのご応募をお待ちしております! 

▽お仕事をお探しの方 

https://www.randstad.co.jp/find-jobs/registration/

▽ランスタッドで一緒に働きたい方

https://www.randstad.co.jp/recruit/

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