派遣会社を運営する上で、スキルシートは派遣先企業が一番最初に派遣社員の受け入れを検討する材料となります。このスキルシートの質が低ければ、派遣社員が派遣先企業に入社することができず事業は運営ができなくなってしまいます。
そんなスキルシートはどう作るのがベストなのか。
この記事では、スキルシートの基礎知識と派遣先企業に良い印象を持ってもらうための作成方法とそのポイントを解説していきます。
スキルシートとは?スキルシートの基礎知識を解説!
スキルシートとは、就職や転職などの就業の際に用いられる自分の「スキル」を表した書類のことです。記載される内容は、主に経験や実績。これまでの経歴から使うことのできるツールの技術などが一般的で、別名「技術経歴書」と呼ばれています。
このスキルシートがあることで、求職者が希望する自社の人材需要にマッチングできるかどうかを、採用担当者が客観的に判断することができます。
スキルシートとは
スキルシートは、職務経歴書と間違われることがあります。
どちらも自分ができることと、これまでやってきた仕事の経歴をまとめたものではありますが、スキルシートではその人物がどんなスキルを持ってどんなことができるかを確認されるため、職務経歴などからどんなこと業務に自信を持っているか、どんな仕事をしたいかといった熱意や展望などは面接や履歴書などでアピールするようにしましょう。
そんなスキルシートはどのようなシーンで使われるのでしょうか?
スキルシートが使われるシーン
スキルシートは主に、面接前などに現場で働く人が見るケースが多いです。
実際に業務の現場で働く人たちが、今後入ってくる可能性のある人材にどのような業務を任せるかを考える指標になります。そのため、スキルシートを書く際には、その会社や部署が求めるスキルを事前に把握しておくことが大切になります。
実際の採用では、面談の前にこのスキルシートを見て選考を進めるか判断されることが多いため、スキルシートは採用の際の一番最初の関門だと言えるでしょう。
面談では、スキルシートを元にどのような経験があるのか、どれほどの熱意をもって会社が必要としているスキルを発揮できるかを確認されます。そのため、スキルシートを書く時からその業務に対する理解を言葉で表せるようにしておく必要があるでしょう。
では、次項では「スキルシート」を作成する際のポイントについて解説していきます。
スキルシートの書き方のポイント
スキルシートは紙や電子媒体を問わず用意しておく必要があります。
特にIT企業の場合はPDFなどの電子データで見られることがあるため、紙と電子媒体どちらも用意しておくと安心です。
分量:A4紙2-4枚
スキルシートの分量の平均は2~4枚程度。
多すぎず少なすぎずの分量が理想的です。
少なすぎると極端にスキルのない人材と評価される可能性もありますし、多すぎるとひとつひとつのスキルに対しての理解深度が浅いと見られる可能性があります。
もちろん、多くなってしまう場合もひとつひとつのスキルに十分な説明ができる場合は問題ありません。しかし、実際の面接ではそうはいかず面接で失敗してしまう可能性もあります。
そこで重要になるのが「会社が求めるスキルが何か」を見極めることです。
会社が最も必要としているスキルを重点的に2~4枚程度にまとめ、他にもできることがある場合は面接などでアピールすることで、面接を突破できる可能性が高まるでしょう。
箇条書き
スキルシートでは、長い文章や複雑な言い回しなどを避け、できる限り簡潔に記す必要があります。
そのため、自らのスキルを箇条書きにし、客観的に判断できる数値などで表記されていると良いでしょう。採用担当者が一目見ただけでどのようなスキルがあるか、分かるようにするのが理想です。
体言止めなど言い切り
スキルシートでは、スキルを記載する際に文章が必要になります。
その際も、できるだけ簡潔にすることが大切です。
自らのスキルはスキル名だけを記載し、スキル対する説明は体現止めや、複雑な言い回しは避けるようにしましょう。
また、スキルシートは就業先に提出するものですが、スキルを記載する際には「敬語」は必要ありません。どのようなスキルを持っているかを簡潔に表記することを最優先に目指し作成しましょう。
企業名など固有名詞は避ける
スキルシートで、自身の経験などを記載することがありますが、ここではできるだけ固有名詞を使うのはやめましょう。
よくある例として、就業した会社名などを記載してしまうケースがありますが、これはあまり得策とは言えません。なぜなら会社には守秘義務があり、面接ではどのような業務をしたかを説明するため、その会社がどのような業務をどのような形で行っていたかを話すことになります。
ここで会社名を明かして話してしまうと、守秘義務を守れない人物だと思われてしまい社会的な信用を失ってしまうこともあります。
ただし、自らの経験や対応業務の幅をわかりやすく示し、書類審査に合格する工夫は必要になります。そのためにも、会社名や事業を特定するような言い回しは避け、客観的に評価しやすい「数字」や「専門性の高い内容」を書くようにしましょう。
だれでもわかる表現
スキルシートは比較的専門的な業種で利用されることが多いですが、個人のバックグラウンドに頼らないとわからない表現は避けるようにしましょう。
専門的な業種であってもわかりにくい言葉で書いてしまっては、採用後に発生するコミュニケーションで弊害があるとみなされると、書類審査で落とされてしまうこともあります。
専門性の高い職種では、業界用語や難しい言葉を使うケースが多くありますが、そういった言葉は最低限に抑えわかりやすい書き方を心がけましょう。
読み手を考えたレイアウト
読み手を考えたレイアウトで書くことで、よりよい印象を与えることができます。
スキルシートでは、文章も必要になり2~4枚程度の資料になりますが、文章量は履歴書などより多くなる傾向があります。
そこで、以下のように求められるスキルや、スキルに付随する文章などを分けて記載するとよいでしょう。
・会社が必須としているスキル
・必須スキルに対してその質を担保するような経験
・あれば歓迎されるスキル
・スキルを身につけた背景
記号を使ってわかりやすく記載することで会社側からの印象がよくなります。
特に利用されるのがブレットポイントの形(・、■)を使い分けることです。
西暦で記載
スキルシートでは、和暦などではなく西暦を利用するようにしましょう。
その理由は、和暦で年号をまたいでしまうと、その間の期間がどのくらいかがわかりにくくなってしまうからです。
スキルシートは転職や就職の期間中必要になります。そのため、わかりやすく西暦で記載しておきましょう。
応募先・職種に合わせて書く
スキルシートを作成する際は、募集されている案件から考えて、必要なスキルを優先して記載するようにしましょう。できるスキルを全て載せるべきと思ってしまいがちですが、人気な企業ほど数多くの人材のスキルシートに目を通すことになります。
そのため、その会社や部署で働く人間が一目見ただけで、必要なスキルが揃っていると認識してもらえないと書類選考で落ちてしまうこともあります。
スキルシートを作成する際には、その応募先やその会社が募集している職種などをくまなく調べ記載するようにしましょう。
ビジネス向け文体を利用
こちらは当然ですが、スキルシートはビジネスに向いている文体で書くようにしましょう。
柔らかすぎる口語や絵文字などは言語道断。普段使っている口語なども、知らずのうちに使ってしまう可能性もあるので、スキルシートを書いたあとはよく見直すようにしましょう。
スキルシートの記載事項は?5つの必要事項を解説
ここでは、スキルシートで必要な記載事項について解説します。
以下で説明している記載事項は全て載せるようにしましょう。
プロフィール
スキルシートには、まずプロフィールを記載しましょう。
プロフィールに必要な項目は以下です。
・名前・住所・最寄駅・年齢・学歴・資格もし、就業活動をする上で派遣会社などを通してスキルシートを提出する場合は、自分の名前を直接応募企業に明かすのはよくないので、ブラインドレジュメとして苗字と名前のイニシャルだけで記載することもあります。
期間
転職や、新卒の場合でもインターンなどで会社のプロジェクトに関わっていた場合は、そのプロジェクトに従事した期間を記載しましょう。
期間は月毎でも大丈夫ですが、明確な日にちまで分かる場合は日にちも記載すると良いです。
業務内容
スキルシートの中でも、自分ができる業務内容は重視される項目のひとつです。
業務内容では、実際にどんな業務を行い、その際に使ったスキルは何なのかを明確に書きましょう。
この際に採用担当者があなたのスキルレベルを見極められるようにスキルを箇条書きにするなど、具体的に見極められるような形で記載していくことが大切です。
役割
業務内容に続いて、その業務内容において自身がどんな役割でどのような業務を行ったのかを、簡潔な文章で書くようにしましょう。
専門的な領域で担当者にわかりやすく書けるのであれば、箇条書きで役割名・役職名を書くのも良いでしょう。
チーム規模
業務内容と役割で自分のスキルや経験がどのくらいあるかは、チーム規模によって変わってきます。
10人のチームの中でマネージャーを行っていたケースと、50名のチームでマネージャーをしていたでは、スキルと経験が大きく違うことがわかりますよね。
そう言ったケースを踏まえて、虚偽のないチーム規模を書くようにしましょう。
派遣会社から求職者を推薦する際のスキルシート添削ポイント
派遣会社から求職者を推薦する際には、提出するスキルシートを添削して、よりわかりやすいスキルシートにする必要があります。スキルスートの作成は求職者個人のバックグラウンドに大きく影響を受けます。せっかくの経験がうまく表現できずに採用に結び付きにくそうなスキルシートについては、営業担当者が添削をして求職者へアドアイスすることが、書類突破率を高める上で望ましいでしょう。
そうすることで、求職者の全体的な書類突破率を上げ、結果的に業績アップを見込めます。
以下では、具体的にどんなポイントに着目して添削すべきかを解説します。
誤字脱字
スキルシートを提出する上で、誤字脱字はご法度です。特に細かい業務が必要になる職種では誤字脱字があった時点で、どれだけ経験豊富であったとしても書類選考に落とされるケースがあります。
特に固有名詞である社名の間違いや、「ら」抜き言葉は先方に失礼にあたります。
こういった誤字脱字は求職者のバックグラウンドに依存する傾向があるため、添削する際にはスキルシートの記載ルールを明確に設けておくと良いでしょう。
事実情報の誤り
生年月日や学歴など、事実情報を誤った形で提出してしまうこともご法度です。
事実情報が間違っていると、採用された後に大きなトラブルになってしまうことも考えられます。
その中でもよくあるのが「年齢」と「学歴」です。
採用要件に「年齢」や「学歴」を目安として設けている企業は少なくないため、ここには特に注意が必要です。
文字サイズ
文字サイズもスキルシートを書く際に重要なポイントになります。
大きすぎず小さすぎず、統一された文字サイズで記載すると良いでしょう。文字サイズは規定がないため、過去に受かったスキルシートや、会社が好評している資料の文字サイズなどに合わせて記載すると良いでしょう。
これらも求職者の書き方に左右されてしまうため、事前に派遣会社にてフォーマットを用意しておくことで迷わずに作成できます。
まとめ:スキルシートの意味合いを見失わずに!
スキルシートは、会社就業の際に非常に重要視されるポイントです。しかし、スキルシートで書類選考の突破を目指すあまり、誤った情報や自身を誇大表現するのはやめましょう。
スキルシートの目的は、あくまでその会社が求めるスキルがあるかどうかを示す書類です。まずは最低限必要な能力があることを書類で示し、面接で業務や役割をすり合わせ円滑に進めることを前提に丁寧な作成を心がけてください。