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特定技能制度とは?労働人口不足を改善する外国人就労制度を解説!

日本の働き手に関する現状

少子高齢化が進む今、日本ではバブル期以来の深刻な人手不足が問題となっています。将来にわたり日本の経済成長を維持するためには、国内での生産性の維持や向上は必須です。しかし、このまま人手不足が続くと、将来的な日本の経済規模の縮小は免れません。人口減少が今後も続く日本社会においては、まずは人手不足の解消が最重要課題なのです。

生産年齢人口の減少

生産年齢人口とは、15歳から65歳未満の現役で生産活動に携わっている人口を指します。日本の生産年齢人口は1990年代をピークに減少傾向が続いており、今後増加する見込みもありません。

有効求人倍率の増加

現在の有効求人倍率は1.14倍(2021年8月期)となっており、比較的高い水準で推移しています。ただし、この人手不足の原因が好景気による需要の増加ではなく、生産年齢人口の減少にあることは大きな問題です。実際に、国民の間で景気の良い実感がないのに人手不足が続いているのは、労働者が不足しているからとも言えるでしょう。

今後の長期的な予測を見ても、2030年時点で労働者の需要が7,073万人であるのに対して、労働供給は6,429万人と、644万人もの人手が不足する(『労働市場の未来推計2030』より)と考えられています。このような状況下で、政府は外国人労働者を受け入れるための制度改正などを実施しているのです。しかし、今後も不足する労働需要を全て補うことは難しく、長期的に見ても有効求人倍率の上昇はまだまだ続くものと予測されています。

アルバイトや技能実習生の就労

上記のように、現在の日本では人手不足が深刻です。しかし、正社員を雇用するには社会保険の負担など大きなリスクを伴うため、中小零細企業を中心に「非正規雇用労働者」を増やす傾向にあります。アルバイトやパート、派遣労働者などが「非正規雇用労働者」の対象ですが、今では外国人の技能実習生や留学生も日本の労働者として活躍しています。

特定技能とは?

特定技能とは、2019年4月より導入された新しい外国人に対する「在留資格」のことを言います。特に日本国内で人手不足が深刻化している14業種において、外国人労働者を受け入れるために制定された制度です。

以下の14業種を特定技能として外国人の就労を認めています。

  • 建設業
  • 造船、舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気電子情報関連産業

特定技能1号

特定技能1号とは、上記の分野において「相当程度の知識または経験を持つ外国人」を対象とする在留資格とされています。特別な教育や訓練を受けていなくても、一定の業務をこなせるスキルがあれば就労できる可能性が高くなります。

ただし、外国人が特定技能1号の在留資格を取得するには、日本語のスキルはもちろん、仕事に関する知識や経験に関しての試験にパスすることが必要です。

特定技能1号を取得した場合、日本に通算で5年間在留できます。その際、家族の帯同は認められていません。

特定技能2号

特定技能2号とは、特定技能1号修了者の次のステップとして用意されている在留資格です。特定技能2号の就労者となった者には在留の期限はなく、未来の日本の産業を支える労働者として永住権の取得も可能な制度です。しかし現在はどの業種においてもまだ許可された実績はありません。2021年度から建設業と造船・舶用工業の2業種で試験をスタートする予定で、実質的な運用の開始は2022年以降になるでしょう。

外国人の採用に向けて注意すること

日本の企業が外国人を受け入れる場合には、注意すべきポイントがいくつかあります。遵守すべき法令はもちろんですが、それ以外にも文化や宗教などの違いもあるので、しっかりと準備していきましょう。

在留資格(就労ビザ)があるか?

外国人が国内に滞在する際、在留資格(就労ビザ)が必要です。もしも在留資格のない外国人を雇用した場合には、雇用する側もされる側も処罰の対象となるので注意してください。この在留資格にはいくつかの種類がありますが、特定技能1号取得者であれば通算で5年間の就労が認められています。

国籍や人種での差別は禁止

外国人を採用する過程において、特定の国籍や人種を選ぶことは差別として禁止されています。具体的には、求人票で募集している仕事内容に照らし合わせた技能や経験といった能力により選考するようにしてください。

また、求人票で特定の国籍を指定したり歓迎したりする表記も禁止されています。「日本語が理解できる」や「ネイティブな英会話ができる」など、仕事に対する必要技能を表記するようにしましょう。また、労働時間や給与などの労働条件も日本人と同じ水準で雇用することが原則となっています。

在留資格に合った仕事内容でないといけない

特定技能を有する外国人でも、どのような仕事をしても良いわけではありません。その人の持つ在留資格に合わせた仕事に従事させないと、雇用側も罰せられますので注意が必要です。

文化や仕事に対する価値観の違いを理解する

最近では日本人の中でも、仕事に対する物の考え方や取り組み方などに違いが見られます。しかし、日本とは全く異なる文化や宗教、政治の環境で育ってきた外国人の場合は、それ以上に価値観のギャップを感じるかもしれません。

労働意識を例にとっても、「奉仕」や「美徳」といった日本的なイメージが全く通用しない国もあるでしょうし、仕事よりもプライベートを優先する人もいるかもしれません。しかし、これは価値観の違いです。ただ、このような価値観の違いでトラブルやすれ違いが起こる可能性は十分にあります。

このような問題は、現場で働くスタッフの全員がそれぞれの文化を理解し、配慮することが必要です。そのためにも、外国人労働者を受け入れる際には、日本人従業員よりも多くのコミュニケーションを取ることが大切です。

外国人の採用のメリット

では、多くの企業がなぜ外国人労働者を積極的に受け入れるのでしょうか?ここでは、企業が外国人労働者を受け入れることによって得られるメリットを解説します。

人手不足の解消

基本的に外国人労働者を受け入れる第一の目的は、この人手不足の解消にあるでしょう。特に採用に苦労している業種や、高齢化や過疎化が進む地方のサービス業や1次産業などでは、すでに多くの外国人労働者が活躍しています。

訪日外国人へのスムーズな対応が可能になる

英語を含めた外国語を話せる従業員を雇用することで、訪日外国人への柔軟な対応が可能になります。今後も日本を訪れる外国人が増加すると予想されており、多言語で対応できる施設の需要はさらに高まる可能性があります。外国語が得意ではない方にとっては、外国人の従業員が職場にいることで、外国の文化や特徴に合わせたスムーズな接客が可能になるのです。

外国人労働者受け入れのコストの最適化や助成金利用ができる

日本人だけではなく、外国人も求人対象に含めることで、求職者の数が格段に増えて採用コストを削減できる可能性があります。また、外国人を受け入れることで通訳や翻訳機、社内の標識などの設置費用が助成金の対象となります(例.人材確保等支援助成金)。助成金は国からの支援以外にも、地方自治体が独自に出している場合もあるので、役所や商工会議所、厚生労働省のHPなども定期的にチェックすると良いでしょう

自社の海外進出への足掛かり

もしもあなたの事業や会社の商品やサービスを海外で展開したいと考えている場合、現地でそのサービスを実験的に売り出したり、テストをしたりするには大きなコストとリスクが伴います。

しかし社内で雇用する外国人労働者がその国の出身であれば、海外進出の大きな懸け橋になる可能性があります。海外でのビジネス展開を検討中の企業であれば、大きなリスクをとって海外に支店や支社を置く前に、その国の外国人労働者を受け入れることを検討してみるもの良い方法と言えます。

特定技能外国人の雇用

特定技能を取得した外国人を雇用する場合には、正社員として直接雇用することが一部業種の例外を除いて原則となっています。

例外とされているのは、漁業や農業などの季節労働者を雇用する業種です。このような業種では、繫忙期に必要な労働者を各地で融通し合うことが通例となっており、外国人労働者にもこれを適用しています。

特定技能雇用契約

特定技能外国人労働者を受け入れる際には、入管法上の「特定技能雇用契約書」を締結する必要があります。この契約書には必須事項が規定されているので、必ずその様式に沿った契約書を作成してください。この特定技能雇用契約書では、雇用契約だけでなく、労働法や入管法で規定する事項も満たさなければなりません。そのために、契約書の作成には専門的な知識が必要になります。

詳しくは法務省 出入国在留管理庁のHPを参照してください。

特定技能雇用契約書に記載される具体的な事項には、以下のようなものがあります。

一時帰国のための休暇取得に関する規定

受入先の企業は特定技能外国人から申し入れが合った場合、業務上やむを得ない事情がある場合を除き何らかの有給休暇を取得できるよう配慮する必要があります。労働基準法で規定される有給休暇が残っていない外国人についても無給休暇を取得できるよう配慮する必要があります。

帰国担保措置に関する規定

特定技能外国人の帰国費用については原則外国人が自己負担するものとなっていますが、万一負担できない場合には受入先企業がその費用を負担し、手続等の措置を行う必要があります。

健康状況その他の生活状況の把握のための規定

特定技能外国人が日本で安定的に就労するために必要な健康診断や聞き取りなどについて規定する必要があります。

社会保険

特定技能外国人の受入れに際しては、その機関が提出する書類の1つに「社会保険料納入証明書」があります。

特定技能外国人の受入れ機関は、社会保険や労働関連の法令を遵守している企業でないといけません。受入れ機関が法令上社会保険に加入義務がある場合には、社会保険に未加入の状態で特定技能制度を利用することができないのです。「社会保険料納入証明書」は、日本年金機構において交付が可能ですので、前もって準備しておくことが必要です。

特定技能で受け入れる国の制約

特定技能1号は、基本的に出身国の国籍を問わず取得することが可能です。しかし、特定技能評価試験を実施する国は限られています。そのために、実際には特定技能の二国間協定を締結している以下の13ヶ国に限られているのが現状です(2021年11月)。

※日本と特定技能の二国間協定を締結している国家

  • フィリピン
  • カンボジア
  • ネパール
  • ミャンマー
  • モンゴル
  • スリランカ
  • インドネシア
  • ベトナム
  • バングラデシュ
  • ウズベキスタン
  • パキスタン
  • タイ
  • インド

入社後の適切な支援とは?

外国人を雇用する場合、受入れ企業に、外国人労働者を支援できる体制があるかが問われます。外国人の雇用の際に求められる手続きスムーズに行うためには、以下のような支援が求められます。

  • 入社前の説明・手続きに関する支援
  • 生活サポート
  • 職場環境のサポート

また、このような特定技能外国人を雇用するに当たっては、支援体制を構築し支援計画書を作成する必要があります。しかしこのような支援の内容は多岐に渡るため、受入れ先の企業にとっては大きな負担となる可能性があります。そこでこれらを自社で行わず、登録支援機関に委託することが一般的となっています。

登録支援機関とは、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、特定技能外国人(特定1号)の支援計画の作成から実施までを専門的に行います。委託するためのコストがかかりますが、書類作成や手続などの多大な手続きから解放されるので、大きなメリットがあります。

登録支援機関は、法務省HPの登録支援機関リストから問い合わせが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?このように、特定技能の制度によって日本の人手不足が少しでも解消される可能性があります。今はまだ、国が必要と判断した14の分野に限ってのみ就労が許可される在留資格ですが、これからの制度の充実が期待されています。

ここで解説してきたように、外国人の採用には、人手不足の解消以外にもメリットがあります。

日本の企業が、将来に向けてグローバルな発展を遂げるには、外国人労働者の活躍が不可欠と言えます。特定技能を取得した外国人労働者の受入れには、様々な支援を盛り込む必要があります。しかし、その一方で外国人労働者から得られるメリットも大きいはず。ぜひあなたの企業においても、特定技能を取得した外国人労働者の積極的な受入れを検討されてみてはいかがでしょうか?

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