求職者の登録者数を増やすために人材紹介会社がスカウトサービスを活用することは一般的です。スカウトサービスとは、Web上に登録された候補人材の経歴・スキルを見た企業や人材紹介会社がスカウトメッセージを送信することができるサービスです。
人材紹介会社は、クライアント企業からの求人要望に応えるために、スカウトサービスに登録した候補者データベースを活用し、適切な人材をスカウトすることができます。
そこで今回は、人材紹介会社が、スカウトサービスを活用するにあたってのメリットや代表的なサービスを詳しく解説します。これからスカウトサービスの導入・運営をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
人材スカウトサービスとは?
人材スカウトサービスとは、企業や人材紹介会社が、Web上に登録された候補人材の経歴・スキルを見て、スカウトメッセージを送信することができるサービスのことです。
また最近では、ソーシャルメディア上でスカウト活動を行う企業も増えています。
データベースからクライアントの採用要件に合った人材を検索し、コンサルタントが気になる人材に直接メッセージを送り、求人の魅力をアピールすることができます。
サービスの種類
人材スカウトサービスには、以下のようないくつかの種類があります。
若手向けハイキャリア向け
若手向けのハイキャリアスカウトサービスとは、高いスキルや経験を持つ「若手のハイキャリア」の方々を対象としたスカウトサービスのことです。
若手向けハイキャリアスカウトサービスでは、専門的な知識や現職で高い実績を残している若手人材の登録が多いことが特徴です。
即戦力経験者向け
即戦力経験者とは、クライアントが募集しているポジションと同様の経験を持っている人材で、転職先に入社した後、すぐに業務をスタートできる人材を指します。また、中途採用においては、即戦力と評価される経験を持つ人材を求めていることが殆どです。
即戦力経験者を謳っているスカウトサービスでは、幅広い職種または業界特化で上記のような条件を満たした人材の登録が豊富となっています。
ミドルエグゼクティブ向け
ミドルエグゼクティブスカウトとは、一般的に年収600万円以上で、ミドルからエグゼクティブ層の転職希望者を対象としたスカウトサービスのことを指します。また「エグゼクティブな人材」とは、高い管理能力や経営力、ビジネススキルなどを備えた経験豊富でリーダーシップがある人材のことを指します。
活用するメリット
人材紹介会社におけるスカウトサービスを活用する主なメリットには、次の3つがあります。
- 集客手段が確保できる
- 求める人材に対してピンポイントで直接アプローチできる
- 成果報酬制のサービスが多く人材紹介のビジネスモデルにフィットする
それぞれ解説します。
集客手段が確保できる
スカウトサービスは、人材紹介会社であれば基本的にどの企業でも利用可能です。
ノウハウが無い企業の場合、自社で求人メディアやホームページを作成して集客することは難しく、スカウトサービスのデータベースを利用できることは、事業開始間もない人材紹介会社にとっても有効な求職者獲得の手段となります。
求める人材に対してピンポイントで直接アプローチできる
スカウトサービスを利用することで、求める人材に対してピンポイントで直接アプローチが可能です。
クライアント企業が求める人材像に合致する人材を探し出し、積極的にアプローチできるため、効率的な採用ができるメリットがあります。
成果報酬制のサービスが多く人材紹介のビジネスモデルにフィットする
求人メディアなどの集客手法では、エントリー単位や、求人掲載単位で課金されることが多いのですが、スカウトサービスの利用料については、成約決定時の成果報酬となっているケースが殆どです。また、早期離職で企業への返金が発生した場合に、スカウトサービスの利用料を減免してくれる規約があるサービスも存在します。
このように人材紹介会社のビジネスモデルと親和性があり、利用しやすい仕組みとなっています。
活用するデメリット
人材紹介会社がスカウトサービスを活用する際には、以下のようなデメリットが考えられます。
- 手数料が発生する
- スカウト対象者の絞り込みが難しい
- ライバルが多い
以下でそれぞれ解説します。
手数料が発生する
スカウトサービスの利用にあたっては、一定の利用手数料を支払う必要があります。一般的に、クライアントに請求した紹介手数料の20%〜30%を成功報酬として支払うケースが多く、求職者の集客をスカウトサービスに頼りきってしまうと自社の利益圧迫につながります。
スカウト対象者の絞り込みが難しい場合がある
スカウト対象者を絞り込むためには、企業のニーズに合わせた適切なターゲティングが必要です。
しかし、スカウトサービス登録者のプロフィールや経歴の記載が不十分な場合は、適切にターゲットを絞り込むことができないケースもあります。また、企業側の採用要件が固まりきっていない場合も同様となります。
ライバルが多い
スカウト対象者は、他社からもスカウトの対象になっている可能性があります。そのため、他社との競争が激化するケースがあるためスカウトの戦略や施策に工夫が必要です。
選び方
人材スカウトサービスを選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。
自社の求人とマッチする人材の登録があるか
まずはじめに、各スカウトサービスの特色を理解しサービス利用を検討することが重要です。
それぞれのスカウトサービスで、登録している求職者の属性(年代・業界・職種・役職)によっては、自社の戦略にマッチしない可能性があります。したがって、自社が保有する求人やクライアントが求める人材の登録が多いサービスを利用するとよいでしょう。
料金体系や料金が発生する仕組みに注意する
料金体系や料金が発生する仕組みに注意が必要です。スカウトサービスによっては、成功報酬型や固定料金型など、さまざまな料金体系を採用しています。また、料金に含まれるサービス内容が異なる場合もあります。
そのため、自社の予算とニーズに合わせた適切な料金体系のサービスを選ぶことが必要です。
代表的なサービス
以下では、企業が欲しい人材を獲得しやすいタイプ別のスカウトサービスを紹介しますので、ぜひ自社で行いたいスカウトサービスの参考にしてください。
若手ハイキャリア向け:AMBI
AMBIは、エン・ジャパン株式会社が運営する若手ハイキャリア向けのスカウト転職サービスです。AMBIには、幹部候補や次世代リーダー・マネージャーとなりうる人材が登録されているのが特徴です。
そのため、ハイスペックな若手人材を紹介したい人材紹介事業者に向いていると言えるでしょう。
即戦力人材向け:ビズリーチ
ビズリーチは、株式会社ビズリーチが運営する、即戦力人材向けの転職サイトです。
登録人数は、144万人以上となっており、実績豊富な人材が多数登録しているのが特徴です。
そのため、即戦力となる優秀な人材を紹介したい人材紹介事業者に向いていると言えるでしょう。
ハイクラス人材向け:リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職スカウトサービスです。
このサービスは、ハイクラス・エグゼクティブ層の転職支援に特化したものであり、独自のデータベースから即戦力人材にアプローチできるのが特徴です。
そのため、役職に就くようなハイクラス・エグゼクティブ層の人材を紹介したい人材紹介事業者に向いていると言えるでしょう。
幅広くアプローチしたい企業向け:リクナビNEXTエージェントネットワーク(RAN)
リクナビNEXTエージェントネットワーク(RAN)は、人材紹介会社を対象としたリクルートが提供している求職者支援サービスです。
リクナビNEXTは、幅広い業種を対象としているため、さまざまな業種の人材が多数登録しているのが特徴です。
そのため、幅広い業種・職種のクライアントを担当している人材紹介事業者に向いていると言えるでしょう。
まとめ
上記のように、人材スカウトサービスは、求める人材にピンポイントでアプローチをすることができ、人材紹介会社の大きな武器となる一方で、かかり続けるコストやサービス選びを間違えてしまうと有効に活用ができない可能性もあります。
本記事内で紹介したポイントを参考にスカウトサービスを利用いただく事で、事業運営に役立てていただけますと幸いです。
また、以下のようなスカウトサービスについてのセミナーを過去に開催しており、過去動画を視聴いただく事も可能です。是非、参考にされてください。
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