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人材紹介事業(有料職業紹介)の立上げにキャリアコンサルタントは必要?資格の概要と取得方法を解説

労働人口の減少や働き方改革などの影響により、近年は、さまざまな業界において人手不足が大きな課題となっています。そこで各企業においては、優秀な即戦力人材を確保するために、人材紹介業者を通じた即戦力人材の採用が活発となっています。

人材紹介業を立ち上げる際に必要な人材用件としては、職業紹介責任者を置くことが義務付けられていますが、今回紹介するキャリアコンサルタントについては義務化されていません。しかし、キャリアコンサルタントが在籍しているということは求職者へのアピールポイントとなります。なぜならキャリアコンサルタントは、求職者や応募先の求人企業に対して、適切なアドバイスや就職支援を提供する専門家として認識されているからです。

そこで今回は、人材紹介業を立上げ、運営する際にキャリアコンサルタントが果たす役割と、資格の概要や取得方法をくわしく解説します。これから人材紹介事業へ参入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

人材紹介事業とは

人材紹介事業とは、人材を求める求人企業と転職を希望している求職者の双方から申し込みを受け、双方の希望に沿った雇用関係の成立を斡旋する事業のことです。

人材紹介事業者は、求職者と求人企業の間を取り持ち、面接などのステップを経て、適した人材を紹介します。

紹介した人材が採用された場合には、求人を出した企業から紹介料を受け取ることで、事業を運営しています。

事業運営にキャリアコンサルタントは必要か

「キャリアコンサルタント」の資格は、人材紹介業の立ち上げや運営に必須となる資格ではありません。

しかしながら、キャリアコンサルタントがもつ専門知識は人材紹介事業の現場で活用することができます。

以下のようなスキル・知識を事業運営の現場で活かすことができます。

1.候補者のキャリア目標を理解

キャリアコンサルタントは、候補者のキャリア目標やスキルを把握し、適切な求人情報を提供することができます。

2.採用担当者の要件の理解

キャリアコンサルタントは、採用担当者の要件を把握し、適切な候補者を提供することができます。

3.候補者のキャリアアップの支援

キャリアコンサルタントは、候補者のキャリアアップを支援するために、彼らのスキルや人生観などに関するアドバイスを行います。

4.キャリアアドバイスの提供

キャリアコンサルタントは、候補者が自分のキャリア選択を確実に行えるように、インタビュー技術やリサーチ技術などを使って支援を行います。

5.リクルーターとしての信頼性の向上

キャリアコンサルタントが担当することで、人材紹介業者は、候補者や採用担当者との信頼関係を構築し、長期的なビジネスパートナーシップを築くことができます。

上記のような業務は、未経験者や資格取得をしていない方でも実施可能ですが、専門知識と実務の両方を保有しているキャリアコンサルタントの方が、求職者にとってより安心感を与えることができます。

資格の取得要件

キャリアコンサルタントの資格を取得するには、下記で紹介する受験資格を満たし、試験に合格した後、さらにキャリアコンサルタント国家資格に登録を完了する必要があります。

資格の取得条件

キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、まず次のいずれかに該当する人が受験した上で、試験に合格しなければなりません。

  1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
  2. 労働者の職業の選択、職業生活設計、または職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方(経験に該当するかは個別判断されます)
  3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験、または実技試験に合格した方
  4. 平成28年3月までに実施されていたキャリアコンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した方

資格試験の流れ

キャリアコンサルタントの資格を取得するまでには、主に次の3つのステップがあります。

1.講習を受講する

まず最初に、厚生労働大臣が定めた合計140時間の講習を受講する必要があります。

認定講習には、主に次のような講習が認定されており、専門実践教育訓練給付金の対象となっている講習もあります。

  • CMCAキャリアコンサルタント養成講習
  • GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
  • ICDSキャリアコンサルタント養成講座
  • 一般社団法人日本産業カウンセラー協会キャリアコンサルタント養成講習
  • キャリアコンサルタント養成講座
  • キャリアコンサルタント養成ライブ通信講座
  • キャリアコンサルタント(通学・通信)養成講習
  • 公益財団法人関西カウンセリングセンターキャリアコンサルタント養成講習
  • 100年キャリア講座 キャリアコンサルタント養成講習
  • トータルリレイション キャリアコンサルタント養成講習

なお、上記は一例です。

2.試験を受ける

キャリアコンサルタント試験とは、職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣の登録を受けてキャリアコンサルティング協議会が実施する国家資格試験となっています。

試験内容は学科試験と実技試験の両方があります。

学科試験

学科試験は、マークシート方式により4肢択一式で解答します。問題数は50問で、試験時間は100分、合格基準は100点満点で70点以上となります。

実技試験

実技試験には、記述式、ロールプレイ、口頭試問による面接試験があります。

実技試験の3項目は、以下の通りです。

記述式

逐語記録を読み設問に解答します。問題数は1~2問で、試験時間は50分です。

ロールプレイ

ロールプレイでは、実際のキャリアコンサルティング場面を想定し、受験者がキャリアコンサルタント役となって行われます。試験時間は15分です。

口頭試問

口頭試問では、自らのキャリアコンサルティングについて、試験官からの質問に答えます。試験時間は5分です。

実技試験の合格基準は150点満点で90点以上です。ただし、各試験ごとに足切り点があり、論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要となり、40%未満の項目があると不合格となります。

なお、受験費用は2023年現在で学科試験8,900円・実技試験29,900円(各税込)となっています。

3.名簿へ登録する

上記のキャリアコンサルタント試験に合格した方は、キャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。この登録を済ませなければ、キャリアコンサルタントと名乗ることはできません。

登録事務については、厚生労働大臣が指定登録機関として指定した、キャリアコンサルティング協議会が行います。

登録の要件については「厚生労働大臣から登録を受けた試験機関が実施したキャリアコンサルタント試験に合格した方」か「技能検定キャリアコンサルティング職種の1級または2級に合格した方」が対象となります。

登録方法については、キャリアコンサルタント登録センターに登録申請書と試験の合格証の写しなどの書類を添えて提出します。登録には登録免許税9,000円と、登録手数料8,000円が必要です。登録証は登録申請から1.5ヶ月〜2.5ヶ月ほどで、本人の住所に宛に郵送される仕組みです。

人材紹介業における役割

人材紹介業において、キャリアコンサルタントの役割はさまざまですが、一般的には以下のようなことを行います。

1.キャリアアドバイス

候補者のキャリア目標を理解し、適切なキャリアアドバイスを提供します。

2.人材マッチング

求人企業と候補者のニーズを把握し、適切なマッチングを行います。

3.インタビュー支援

候補者のインタビュー準備を支援し、適切なインタビュー対策をアドバイスします。

4.契約支援

候補者と求人企業の間に立って契約交渉を支援し、適切な契約条件を提案します。

5.フォローアップ

候補者と求人企業の間のフォローアップを行い、適切な調整を行います。

上記は、キャリアコンサルタントの一般的な役割であり、実際には求人企業の業種などによって異なります。

まとめ

このようにキャリアコンサルタントは、人材紹介事業において求職者と応募先の求人企業に対して適切なアドバイスや就職支援を提供する専門家として、活躍することができます。キャリアアドバイザーを目指している方や、既に人材業界で勤務されている方も、資格取得を検討されてはいかがでしょうか。

ブレイン・ラボでは事業の立ち上げ相談会の実施や、提携する社労士事務所の紹介も可能です。人材紹介業の立ち上げや、立ち上げ後の事業の進め方などに不安のある方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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