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職業紹介責任者講習とは?受講の対象者や講義内容、主要開催機関を解説

職業紹介責任者講習とは、人材紹介業を運営するために必要となる、職業紹介責任者の資格を取得するための講習のことです。

近年は、労働人口の減少や働き方改革などの影響により、どの業界においても人手不足が大きな課題となっています。

そこで企業においては、優秀な即戦力人材を確保するために、転職エージェントをはじめとする人材紹介業者を通じたキャリア人材の採用を行うケースが増えています。

このような人材市場に合わせて、人材派遣会社をはじめとするさまざまな業界から、人材紹介業へ参入する企業が増加中です。

そこで今回は、職業紹介責任者講習や職業紹介責任者について、受講の対象者や講義内容、主要開催機関を詳しく解説します。これから人材紹介業を始めようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

人材紹介業の職業紹介責任者について

職業紹介責任者とは、人材紹介業者において、職業トレーニングや就職支援を行う専門の人のことです。

職業紹介責任者は、職業相談やカウンセリングを行い、個々のニーズに合った職業選択を支援します。また、就職先の探し方や履歴書などの添削、面接のやり方なども指導し、就職準備を全面的にサポートするのが仕事です。

人材紹介業を営む際は、社内に1人以上の職業紹介責任者を置く必要があります。職業紹介責任者は、それぞれ全国の主要都市で定期的に行われる「職業紹介責任者講習」を受講すれば資格の取得が可能です。

この職業紹介責任者講習の受講資格については、下記で紹介する要件を満たすものであれば誰でも受けることができます。

それぞれの申し込みについては、厚生労働省の「職業紹介責任者講習の実施機関等について」内の案内をご参照ください。

職業紹介責任者講習とは

職業紹介責任者講習とは、職業紹介責任者になるために必要な知識やスキルを学ぶための講習会やセミナーです。

職業紹介責任者講習には、職業相談やカウンセリングの方法、就職支援のノウハウ、法律や規則などに関する知識、そしてコミュニケーションや人間関係のスキルなどが含まれます。

この職業紹介責任者講習を受けることで、職業紹介責任者としての基本的な能力を身につけることができます。

職業紹介責任者講習の受講形式は、一般的な対面式の講習とオンライン講習から選択できるため、地方に在住の方でも無理なく受講が可能です。

以下では、職業紹介責任者講習について、重要な項目を詳しく解説します。

受講対象者

職業紹介責任者講習の受講対象者は、主に下記のような方が対象となります。

  • 新たに職業紹介事業を行おうと予定している方
  • 既に許可を受けている職業紹介事業者の方から、職業紹介責任者として選任される予定の方
  • すでに職業紹介責任者に選任されている方

受講料

職業紹介責任者講習の受講料については、講習運営事業者や講習実施地域によって多少の差がありますが、概ね8,800円〜13,000円くらいが相場です。

どの講習を受講するかについては、開催されている講習の形式(オフラインやオンライン開催)や受講料を比較したうえで、ご自身に最適な実施機関を見つけてください。

講義内容

職業紹介責任者講習の講義内容については運営事業者によって異なりますが、基本的には座学形式となっており、それほど難しくはないでしょう。

ただ、講義の最後に「理解度確認試験」を受験して、合格ラインをクリアする必要があります。

出題は当日の講義の中で解説された内容から出題され、人材紹介に関する初歩的な問いばかりです。しっかりと講義を受けていれば十分合格可能ですので、都合の良い日時で受講申し込みを行いましょう。

また職業紹介責任者講習の講義内容は、今後の事業運営において必要となる内容です。そのため、受講内容を自社で共有できるようにしましょう。

 講習では、主に次のような内容を学びます。

  • 民営の職業紹介事業制度の概要について 
  • 職業安定法や関係する法令について
  • 職業紹介責任者の職務や、職務遂行上の留意点及び具体的な事業運営について
  • 個人情報の保護の取扱いに係る職業安定法等の遵守と、公正な採用選考の推進について 
  • 理解度確認試験
  • 民営職業紹介事業の運営状況  など

実施機関一覧

令和5年度の職業紹介責任者講習の開催については、下記の機関が実施する予定です。

詳しい日程等については、厚生労働省の「職業紹介責任者講習の実施機関等について」のページをご参照ください。

また、講習の申込み等に関する問い合わせは、直接実施機関に確認してください。

・公益社団法人 全国民営職業紹介事業協会

東京都文京区本郷3-38-1本郷信徳ビル5階

TEL:03-3818-7011

・ 一般社団法人 日本人材紹介事業協会

東京都港区芝公園2-6-15黒龍芝公園ビル西館2階

TEL:03-5408-5454

・株式会社 ウェルネット

東京都新宿区新宿2-5-12FORECAST新宿AVENUE2F

TEL:03-6380-1512

・一般社団法人 人材サービス支援センター 

神奈川県横浜市中区尾上町4-47

TEL:050-5866-3726

・株式会社 フィールドプランニング

東京都品川区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー7F

TEL:03-5715-2940

・株式会社 アプエンテ

東京都新宿区歌舞伎町二丁目46番3号 西武新宿駅前ビル8階

TEL:03-6205-6642

▲出典:厚生労働省の「職業紹介責任者講習の実施機関等について」より

講習時間

講習の実施団体や場所によって講習時間は異なります。それぞれの開催時間については、実施機関のスケジュールをご確認ください。

職業紹介責任者講習の申し込み方法

職業紹介責任者講習の申し込み方法については、それぞれの実施機関のWebサイトなどからオンライン申し込みも可能です。

詳しくは厚生労働省の「職業紹介責任者講習の実施機関等について」のページをご参照ください。

職業紹介責任者の役割

職業紹介責任者は、人材紹介事業を行う企業や組織において、職業紹介事業を適正に運営するための仕事を行う責任者です。

職業紹介責任者の規定は「職業安定法第32条の14」により規定されています。

職業安定法第32条の14法案では、職業紹介責任者は下記の事項を統括するために存在すると定めています。

・求人者又は求職者から申し出を受けた苦情の処理に関すること。

・求人者の情報(職業紹介に係るものに限る。)及び求職者の個人情報の管理に関すること。

・求人及び求職の申込みの受理、求人者及び求職者に対する助言及び指導その他有料の職業紹介事業の業務の運営及び改善に関すること。

・職業安定機関との連絡調整に関すること。

職業紹介責任者については、それぞれの事業所に1名必要で、職業紹介従事者50名あたり1名以上の選任が必要となります。そのため、これから事業の拡大を進める事業所においては、早めに職業紹介責任者講習を受講しておくことをおすすめします。

▲出典:e-Gov法令検より

職業紹介責任者となるための要件

職業紹介責任者となるための要件については、厚生労働省の許可基準により、以下のように規定されています。

イ 法第32条の14の規定により、未成年者ではなく、法第32条第1号から第3号までに掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと。

ロ 次のいずれにも該当すること。

・貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第1項に規定する貸金業を営む者にあっては同法第3条の登録、質屋営業法(昭和25年法律第158号)第1条に規定する質屋営業を営む者にあっては同法第2条の許可を、それぞれ受け、適正に業務を運営している者であること。

・関連特殊営業、同条第11項に規定する接客業務受託営業その他職業紹介事業との関係において不適当な営業の名義人又は実質的な営業を行う者でないこと。

・外国人にあっては、原則として、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)別表第一の一及び二の表並びに別表第二の表のいずれかの在留資格を有する者であること。

・住所及び居所が一定しないなど生活根拠が不安定な者でないこと。

不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。

公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。

虚偽の事実を告げ、若しくは不正な方法で許可申請を行った者又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者でないこと。

国外にわたる職業紹介を行う場合にあっては、相手先国の労働市場の状況及び法制度について把握し、並びに求人者及び求職者と的確な意思の疎通を図るに足る能力を有する者であること。

ハ 次のいずれにも該当し、労働関係法令に関する知識及び職業紹介事業に関連する経験を有する者であること。

(イ) 職業安定局長に開催を申し出て、実施団体としての要件を満たしていることが確認された者が実施する「職業紹介責任者講習会」を受講(許可又は許可の有効期間の更新に係る申請の受理の日の前5年以内の受講に限る。)した者であること。

(ロ) 成年に達した後3年以上の職業経験を有する者であること。

▲出典:厚生労働省の許可基準より

上記をわかりやすく要約すると、次のようになります。

・23歳以上で3年以上の職業経験のある方

・職業紹介事業者の23歳以上の従業員の方(法人役員でも可) など

このように、職業紹介責任者となる方における基準はそれほど厳しくありません。そこで、事業の経営者など、退職する可能性の低い方の受講をおすすめします。

職業紹介責任者の専任と常駐義務について

人材紹介業を営む際は、各事業所ごとに「職業紹介責任者」を選任することが義務付けられています。

また職業紹介責任者については、事業所への「常駐」が原則となっているため、基本的に他社の仕事と兼業できないことを理解しておきましょう。

職業紹介責任者講習のまとめ

このように、人材紹介事業を運営するためには、かならず職業紹介責任者の資格を持つ人材が必要となります。

そこで、これから人材紹介業を始めようとお考えの方は、ぜひお早めに職業紹介責任者を選任し、受講するようにしましょう。

ブレイン・ラボでは、事業の立ち上げ相談会の実施や、提携する社労士事務所の紹介も可能です。人材紹介業の立ち上げや、立ち上げ後の事業の進め方などに不安のある方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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