人材派遣事業を行う上で欠かせないのが、業務の進捗管理です。人材派遣事業は、求職者と人材を求める企業をマッチングする業務が中心となりますが、派遣スタッフが派遣先の企業に就業するまでの過程における工程で進捗に遅れが出てしまうと、事業の運営に支障がでてしまいます。
そこで取り入れたいのが「進捗管理の見える化」です。人材派遣企業では、1人の社員が抱える仕事が多岐にわたることが多く、複数の業務が混在する中で進捗管理を見える化することが難しいと言われています。
今回は、事業運営を円滑にするための「進捗管理の見える化」について、そのメリットや成功のコツを詳しく解説します。
人材派遣事業の運営でお困りの方や、これから人材派遣業に参入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
人材派遣業における「進捗管理の見える化」とは?
「進捗管理の見える化」とは、人材派遣会社の業務進捗を全ての運営社員が常に把握できるように、インタラクティブな情報共有をできる状態と言います。
人材派遣業における進捗管理では、作業計画と実際の作業状況を「時間」と「品質」の二軸で評価し、把握することが重要です。なぜなら、進捗管理が上手くできずスケジュールに遅延が発生したり、人材のミスマッチが生じてしまった場合には、機会損失だけでなく、事業に大きな損害がでる恐れがあるからです。
そこで進捗管理を行うことにより、作業計画と実績のズレを把握するだけでなく、ズレを埋めるための具体的な施策を考え、実行できるでしょう。
人材派遣事業の主な職務は、求職者と求人募集企業をマッチングすることにあります。人材派遣会社は、この求職者と派遣先となる求人募集企業の2つを集める必要があるため、それぞれの営業工程において進捗管理を確実に行わなければ事業が円滑に運営できません。
そこで、進捗管理を全ての運営社員で共有できる「進捗管理の見える化」が重要となるのです。
人材派遣業で「進捗管理を見える化」するメリット
人材派遣会社における業務は、派遣スタッフと派遣先の企業を募集するだけでなく、派遣中の人材管理など多種多様です。また、頻繁に改正される労働者派遣法などの法律に基づいた運用が必須となるため、人材派遣会社の運営社員にかかるタスクが非常に多いのが特徴です。
そこで、人材派遣会社が「進捗管理の見える化」を進めることにより、以下のようなメリットが考えられます。
目標達成までの流れを具体化できる
進捗管理を見える化することで、目標達成までの流れを具体化できます。例えば、今月の新規派遣先獲得の進捗管理を見える化することで、足りなければリソースを補強したり、足りていれば他の目標ができていない業務にリソースを振り分けたりできます。
また、目標達成までの流れも見える化するため、業務フローの見直しもしやすくなるでしょう。
能力に応じた適材適所な人材配置ができる
進捗管理を見える化できれば、各スタッフの能力を確認しやすくなります。例えば、営業が得意な社員を経理に回していたり、人材管理において有能な社員を営業に回していたりするなど、自社内の業務で起きているミスマッチを発見できます。
それぞれの社員の能力に応じた、適材適所な人材配置を実現可能です。
社員の成長に繋がる
進捗管理の見える化によって適材適所に人材を配置できれば、それぞれの社員が能力をフルに発揮できるだけでなく、自身や後輩などの成長にも大きく貢献するでしょう。
社員が得意な業務につくことで、社内に各業務のスペシャリストが育成されます。これまでの日本的な経営では、画一的な社員育成が良しとされてきましたが、これからは自分の能力をフルに発揮して働く時代です。だからこそ、進捗管理の見える化が重要となるでしょう。
業務内の問題を早期に発見し、対処できる
進捗管理を見える化することにより、業務内の問題を早期に発見し、対処できます。業務の工程にある問題が分ることで、問題や課題への対処が早くなるのはもちろんのこと、そもそも問題が起きなくなる可能性が高まります。
このように進捗管理を見える化することにより、スムーズな事業運営ができるだけでなく、さまざまなトラブルを回避できるメリットがあります。
人材派遣会社の進捗管理で見える化できること
人材派遣会社での進捗管理では、人材派遣管理ツールを活用することで以下のような項目を見える化でき、業務の効率化とトラブル回避が容易となります。
ここでは、マッチングッドの機能を例として紹介します。
求人・求職者の管理
求人・求職者の応募から就業までを一元管理できます。求職者やスタッフの情報はもちろん、ステータス管理も可能です。また、派遣スタッフの派遣先の会社や担当者、案件情報もすべて一元管理できます。
マッチング・進捗管理
事業形態にあわせて、さまざまな条件で求職者や案件のマッチングが可能です。成約までの進捗管理やアラート機能もついており、人的ミスを最大件に抑えます。
媒体連携・データ管理
API経由で求人媒体や自社サイトとデータ連携が可能です。求職者データの取り込みや案件更新の工数削減を実現しており、CSVデータにも対応可能です。
カスタマイズ
自社業務に合わせた管理項目や進捗プロセスを手軽にカスタマイズ可能です。帳票も自社のフォーマットで作成できるため、現状のデータを活かしながら効率化できます。
契約管理
派遣業務で必要となる帳票類の作成管理が可能です。契約更新のタイミングでのリマインド機能など、再契約に貢献する仕組みを実装しているため、派遣先任せとなりがちな抵触日の管理などもできて、無用なトラブルを招くこともありません。
特に契約に関するトラブルは、派遣許可証の取消しにも繋がる可能性があるため、デジタルベースでの進捗管理が安心です。
勤怠
スタッフごとの勤怠予定と実績を管理できます。オプションのマイページ機能を使えば、スタッフの勤怠入力や派遣先の承認がオンライン上で可能になるため、自社内だけでなく、派遣スタッフの管理も一元化できるのが魅力です。
給与・請求
スタッフの給与や請求に関しても、月払いから日払いまで、さまざまな支払いパターンに対応できます。社会保険料なども自動算出できるため、請求書はワンクリックで作成可能です。これにより、定型業務が大幅に減り、社内リソースの負担が大きく軽減されるでしょう。
データ分析
派遣スタッフの担当者や求人媒体、職種など、目的にあわせて求職者や案件データを分析可能です。媒体別の費用対効果など、成果につながる分析を実現できます。
このように、人材派遣管理ツールを活用することで、進捗管理を見える化できるだけでなく、さまざまなメリットを享受できるでしょう。
進捗管理でよくある失敗事例
ここでは、人材派遣管理ツールを導入していない企業において、進捗管理でよくある失敗例を紹介します。
作業の優先順位を管理できていない
人材派遣会社の進捗管理をアナログ管理すると、業務内容が複雑であるがゆえに優先順位を管理できず、業務効率が非常に悪いといった企業が目立ちます。
また業務効率が悪いだけではなく、頻繁に改正される労働者派遣法などの対応に追われてしまい、新規の派遣先の獲得や派遣人材の確保ができなくなるといったケースもあります。
人材派遣管理ツールにより、さまざまな業務を一元管理することで、業務の効率化と営業効果の向上にも期待できます。
メンバー内で業務を共有できない
人材派遣会社で管理すべきデータを、アナログで管理している会社では、各チームのメンバー内で業務を共有できないといったケースがあります。またエクセルなどのデジタルデータを活用する場合でも、セキュリティの観点から、クラウドサービスではなくオフライン管理している会社も少なくありません。
このような業務内容の共有ができなければ、基本的にフルタイムで対応することの多い人材派遣会社では、他社との差別化ができません。企業間競争に勝ち、少しでも優秀な派遣人材を確保するためにも、データのデジタル管理は必須と言えるでしょう。
リアルタイムな情報更新と伝達ができない。対応が遅れる
アナログ管理はもちろんですが、エクセルデータなどで進捗管理を行う場合でも、リアルタイムな業務の進捗状況を把握するには機能が足りません。
そこで、人材派遣管理ツールを活用することにより、オンラインでいつでもどこでも最新情報にアクセスできる環境を作ることができます。また、アラート機能などを併用すれば、顧客や派遣スタッフへのフォローも忘れることなく、スムーズな業務管理が可能となります。
人材派遣会社の進捗管理を成功させるコツ
人材派遣会社の進捗管理では、業務の効率化と情報の共有が大切です。そこで、以下のポイントを押さえることで、進捗管理を成功させられるでしょう。
進捗会議を定期的に開く
進捗会議は、オフライン管理でもオンライン管理でも、毎週1回は行いましょう。事業のKGIとKPIをしっかりと設定し「どこまでできたか」や「できていないのはなぜか」といった業務の改善点を出し合い共有します。
進捗管理のテンプレートを準備して共有する
進捗管理におけるテンプレートの共有は必須ですが、個々のスタッフによって管理するデバイスが異なるケースがあります。そこで、幅広いデバイスに対応可能な人材派遣管理ツールの利用をおすすめします。
全スタッフが常にリアルタイムで情報を共有する
人材派遣管理ツールを使えば、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもリアルタイムな情報を共有可能です。これはオフライン管理では不可能なことで、デジタル管理でも容易ではありません。全てのスタッフを一元管理できる人材派遣管理ツールを活用しましょう。
進捗管理の見える化のまとめ
このように人材派遣会社における進捗管理では、人材派遣会社の各社員が、自分の時間やタスクを管理するだけでは仕事が成り立ちません。なぜなら、派遣先の企業や派遣スタッフの情報を常に把握しながら業務の円滑化を図る必要があるからです。
そこで、このようなざまざまな業務工程を一元管理できる「人材派遣管理ツール」の活用をおすすめします。人材派遣管理ツールを使うことで、業務効率や営業効率が向上するだけでなく、派遣スタッフと派遣先の企業とのミスマッチの軽減にも繋がります。
また毎月の請求や支払業務なども自動化できるため、社内リソースの負担が減るでしょう。
人材派遣事業を運営する会社では、今回ご紹介した進捗管理の見える化の仕方を参考に、ぜひ円滑な業務運営を進めていきましょう。
進捗管理をはじめ、人材派遣管理のシステムの導入にご関心を持たれた方は、ぜひブレイン・ラボにお問い合わせください。貴社の業務の効率化を進める最適なシステムの導入方法を提案させていただきます。