人材派遣事業において、営業活動は業績を左右する重要な業務です。
人材派遣営業を成功させ、業績向上を目指すために、この記事では人材派遣営業をされる方向けに「新規開拓」と「既存顧客フォロー」などの人材派遣営業の詳細と、人材派遣営業のコツとノウハウを解説します。
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派遣会社の営業とは?メインは新規開拓と既存顧客フォローの2種類
派遣事業における主な営業先は、派遣先と呼ばれる派遣スタッフを派遣する勤務先企業です。
営業先は派遣先企業だけですが、営業活動自体は「新規開拓」と「既存顧客フォロー」の2つとなります。
新規開拓はその名の通り、新規で派遣スタッフを派遣できる企業に営業することです。新規で派遣スタッフを必要としていると考えられる企業に、派遣スタッフの就業を提案します。
既存顧客のフォローはすでに派遣スタッフを派遣した後に、既に働いている派遣スタッフへの評価も確認し、契約維持を目指します。
既存顧客フォローはただ派遣スタッフを追加で提案するだけでなく、新規営業時からの信頼や関係値をより強固にしていくことが重要です。
新規・既存共通の営業ノウハウ
派遣事業では、この新規営業で取引先が開拓できなければ業績が傾いてしまうことが多くあります。そのため、派遣会社は営業技術とノウハウを駆使して、新規開拓に努めなければなりません。
新規の派遣先企業を開拓する営業では、下記の3つの流れに沿って営業していくケースが多いです。
- 事前調査
- 練習
- 履歴記録からの営業
まず事前調査として訪問先が属する業界事情や雇用状況などをよく知り、新規営業先が抱える悩みや問題点を探ります。この悩みや問題点を商談の際に、自社で解決できることが話せれば、成約率は上がるでしょう。
その際に、営業先企業の課題や悩みが、自社の派遣スタッフを派遣することで解決できる悩みであれば、すぐに訪問をして派遣スタッフの一覧を見せながら提案していくのも良いでしょう。もし、そうでない場合は厳密な提案の準備が必要です。
事前準備が終わったあとは、社内でトークスクリプトを用意し、ロールプレイングを行い、営業の練習を重ねます。
そして、実際の営業では事前調査から得た情報を元にすぐに提案できるように派遣スタッフのリストも用意しておくと良いでしょう。商談後は商談履歴などを記録し、メンバー間で共有することでより精度の高い営業が可能となります。その他にも営業活動を重ねていくことで、成約率が低い会社や高い会社の特徴も分かるため、成約率が高いと予測される企業に効率的にアプローチできます。
ここまでの営業方法は派遣事業のみならず、様々な企業で利用される営業ノウハウですが、次項で紹介する派遣事業固有の営業ノウハウを知ることでより成約率を高くできるでしょう。
新規開拓固有の営業ノウハウ
新しい企業を新規開拓するには、当然ですがこれまで取引のない会社をメインに営業をかけていきます。その際に注目すべきは「自社で解決できることが営業先の会社にあるか」です。
営業の目的は派遣契約締結や新規の派遣スタッフ受け入れなどですが、ここに自社で解決できる悩みや課題があるかで成約率が大きく変わります。
以下では、実際に派遣会社がが行う営業の流れとノウハウについて解説します。
営業先リストアップ
派遣事業での営業活動の第一歩は営業リストを作成することです。この営業リストにある企業が先述した自社で解決できる悩みや課題を持っていなければ、自社の派遣サービスが介在する価値がなくなってしまいます。そうなってしまってはいかに営業トークが上手くてもなかなか営業は上手くいきません。
そこで例えばHRogリストのような求人リストを使うことで、効率良く営業活動を行うことが可能になります。このHRogリスト(フロッグリスト)とは、求人情報を元にした人材業界のための企業リストのことです。
このHRogリストを活用することで、最新の求人情報を簡単にエクセルなどのファイル形式で一覧できる上、採用意欲の強い企業を絞り込むこともできます。リストアップからターゲット選定までの時間・労力を大幅に圧縮できるサービスなのがHRogリストです。
また、厚生労働省が発表している求人の統計を参照すれば、求人が厚い業界がどこかなど最新の情報を入手できます。地域を絞って求人情報誌などをこまめにチェックして対象をリストアップできるのはもちろん、季節の移り変わりに合わせて、ターゲットをリストアップします。
アプローチ
営業先のリストアップが完了したあとは、実際に営業先にアプローチをかけていきます。
この際に主に用いられる手法は「テレアポ」「紹介」「訪問」の3つです。
近年では、コンテンツマーケティングなど、デジタル上で営業先の開拓も可能ですが、上記の3つがスピード感を持って新規開拓ができるやり方でしょう。
アプローチし、商談のアポが取れたらいよいよ、商談の事前準備です。
事前準備
商談の事前準備では、訪問先企業および同業他社情報などを事前調査し、信用を得られるようなお土産情報を可能な範囲で用意しましょう。時間不足で資料が完成していなくとも、訪問先企業と商談する上で会話が成立するほどの基礎知識は必須です。
加えて、商談中にもすぐに紹介できる派遣スタッフのリストを作成しておくことも大切です。営業はスピードが大切。常に営業先会社のニーズに合わせた提案ができるように準備しておきましょう。
そうすることで、すぐに契約が決まるケースもあります。営業担当の熱意や準備の良さは営業先企業の方の信頼を得ます。このような地道な努力と対応が営業先を広げる最も確実な方法と言えるでしょう。
商談
事前準備が完了したあとは実際の商談に入ります。
商談では、自社の強みだけでなく弱みも開示することで、より信頼を持ってもらえることに繋がります。自社の派遣サービスに特徴があればその強みを活かした営業が武器になるでしょう。
その上で事前準備から導き出した営業先企業のニーズに合わせて自社で解決できる悩みや痛みは何かを理解し、論理的に派遣サービスの導入をおすすめします。
商談後のフォロー(すぐに案件化しなかった場合)
商談が終わった後も営業活動は続きます。商談が終わった日にはお礼のメールを送り、記憶してもらう努力しましょう。商談先に、覚えていてもらうことで必要になった時に営業先から声をかけてもらえることもあります。また、商談後は定期的に、先方のニーズにマッチしそうな情報・人材データを供給することで、営業先としての関係性を維持することが大切です。関係が途切れた時に再度構築すると多大な負担が発生してしまうこともあります。
すぐに先方で派遣のニーズがなかったとしても、良い関係が築けているようであれば、他部署やグループ企業でのニーズがないかも打診し横展開を目指しましょう。
まとめ|ツールを使った営業の効率化で営業成果を最大化
人材派遣営業は、常に会社の人材不足やリソース不足といった会社の悩みや課題を解決するものです。そのため、事前に会社のことをよく知り、どのような悩みや課題を持っているのかを予測することが大切です。そのために多くの情報を取得し、整理する事前準備が大切となります。
昨今の派遣事業はデジタル化が進み、業務を効率化すること派遣先企業と派遣スタッフの素早くクオリティの高いマッチングが求められます。うまくシステムを使うことで、事務作業を省力化し、派遣先企業開拓や、スタッフフォローなど、介在価値の高い業務に時間を使うことができるでしょう。