お役立ちノート 派遣法解説

労働者派遣事業の許可更新はいつ?失敗しない準備のポイントを解説!

労働者派遣事業は許可制であり、自動車免許と同じように「更新手続き」が必要です。

しかし「そろそろ最初の更新だけど、何をすればどうすれば良いのかわからない」や 「日々の忙しい業務の合間に書類作成や手続きができるのか」と不安になる方も多いはず。

実際に労働者派遣許可の更新には、比較的時間と手間がかかります。

そこで今回は、労働者派遣許可の更新について、事前にできる準備や手続き方法を徹底解説します。

派遣事業に従事している方は、ぜひ参考にしてください。

派遣免許の更新手続き概要

労働者派遣事業許可(派遣免許)は一度取得したら永久に有効というわけではなく、一定の期間ごとに更新手続きが必要です。

基本的には、更新の期限の前に「労働者派遣許可の更新申請に関わるお知らせ」が労働局より送付されるため、余程のことが無い限り忘れることはないでしょう。しかし、更新には時間と手間がかかるため、できるだけ早めの準備をおすすめします。

派遣免許の有効期間ー更新頻度(派遣法10条)

派遣免許の更新は、初めての許可(開業から1回目)の場合が「許可の日から起算して3年」また、一度更新を受けた後(2回目以降)の許可の場合は「更新前の許可の有効期間が満了する日の翌日から起算して5年」となっています。

1回目の更新が済んでいない事業者の中で「2019年に開業」した方については、2022年中に有効期間が満了となるため注意しましょう。また、更新の申請については「有効期間満了日の3ヵ月前まで」となっているため、早めの準備が必要です。

派遣事業の許可有効期間の更新手続き

それではここで、派遣事業の許可有効期間の更新手続きについて、具体的に解説していきましょう。

必要書類

派遣事業の許可有効期間の更新手続きに必要となる書類は、法人と個人事業者によって異なります。以下では、法人を中心に解説します。

基本的に一般労働者派遣事業の更新に必要な資料は「提出様式」と「添付書類」の2つにわかれます。

提出様式については、所轄の労働局のHPからダウンロードできます。

ダウンロードの手順は以下の通りです。

  1. 各所轄の労働局のホームページの「各種法令・制度・手続き」 をクリック
  2. 「 派遣事業関係制度・手続き」をクリック
  3. 「 労働者派遣事業に関する法律・手続きについて」の「手続き」欄にある「許可有効期間更新申請(厚生労働省HPへリンク)」をクリック
  4. 「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」の全体版から一式をからダウンロード

尚、提出する書類への記入については「許可・更新等手続マニュアル」に添付されている記載例を見ながら、間違いのないように記入しましょう。

提出様式の書類4種類

  • 1.労働者派遣事業許可有効期間更新申請書(様式第1号)
  • 2.労働者派遣事業計画書(様式第3号)
  • 3.キャリア形成支援制度に関する計画書(様式第3号−2)

上記1~3は必須です。また、2と3に関しては、許可後に届出により新設した事業所を含んだ当該事業に係る事業計画書が必要となります。

  • 4.雇用保険等の被保険者資格取得の状況報告書(様式第3号−3)

雇用保険等の被保険者資格取得の状況報告書については、派遣労働者のうち、雇用保険又は健康保険・厚生年金保険の未加入者がいる場合にのみ提出が必要です。

添付書類

  • 5.定款又は寄附行為

定款又は寄附行為については、既に提出されているものに変更があった場合に限り必要となります。

  • 6.登記事項証明書

登記事項証明書については、既に提出されているものに変更があった場合に限り必要となります。

  • 7.役員の精神の機能の障害に関する医師の診断書

役員の精神の機能の障害に関する医師の診断書については、当該役員が精神の機能の障害により認知、判断又は意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合に限り必要となります。

  • 8.役員

役員については、役員が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、次のa・bの区分に応じ、それぞれa・bの書類が必要となります。ただし、役員甲が法定代理人から営業の許可を受けている場合は、その法定代理人の許可を受けたことを証する書面(未成年者に係る登記事項証明書)が必要です。こちらは、法定代理人の変更があった場合に限ります。

  1. aの書類- 役員甲の法定代理人が個人である場合

役員甲の法定代理人の住民票の写し、履歴書が必要となります。

また、法定代理人が精神の機能の障害により認知、判断又は意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合には、精神の機能の障害に関する医師の診断書が必要です。

  1. bの書類-役員甲の法定代理人が法人である場合

役員甲の法定代理人の定款又は寄附行為、登記事項証明書並びに役員の住民票の写し、履歴書が必要となります。

また、法定代理人が精神の機能の障害により認知、判断又は意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合には、精神の機能の障害に関する医師の診断書が必要です。

なお、法定代理人が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、a・bの区分に準じ、それぞれa・bの書類を含みます。

これは、法定代理人の役員について、同様の事例が続く限り、前記と同様に取り扱う必要があります。

  • 9.労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程

労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程については、既に提出されているものに変更があった場合に限ります。

  • 10.最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等

損益計算書については、可能な限り事業区分(セグメント)単位で売上額が確認できるものであること。最近の事業年度における決算は終了しているものの株主総会の承認を得ていないため納税地の所轄税務署長に提出していない場合は、当該決算に係る貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等を確実に納税地の所轄税務署長に提出することが確認できる場合に限り、当該貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等であれば差し支えありません。

なお、申請時においては、この場合、労働者派遣事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類のa及びbを提出させる必要はありません。

  • 11.労働者派遣事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
  1. a 最近の事業年度における法人税の確定申告書の写し

なお、連結納税制度を採用している法人については次に掲げる書類が必要です。

  • ・ 最近の連結事業年度における連結法人税の確定申告書の写し。
  • ・ 最近の連結事業年度の連結法人税の個別帰属額の届出書の写し。
  1. b 納税証明書
  • 12.「派遣元責任者講習」の「派遣元責任者講習受講証明書の写し

労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣元責任者に係る厚生労働省告示に定められた講習機関が実施する「派遣元責任者講習」の「派遣元責任者講習受講証明書の写しが必要です。また、当該派遣元責任者が精神の機能の障害により認知、判断又は意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合には、当該派遣元責任者の精神の機能の障害に関する医師の診断書も提出します。

上記は、派遣元責任者と役員が同一である場合においては提出の必要はありません。

  • 13.派遣労働者のキャリアの形成の支援に関する規程

派遣労働者のキャリアの形成の支援に関する規程については、既に提出されているものに変更があった場合に限ります。

  1. a 教育訓練受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うことを原則とすることから、当該取扱の記載された就業規則又は労働契約の該当箇所の写し等
  1. b 派遣労働者のキャリア形成を念頭においた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等又はその概要等の該当箇所
  • 14.無期雇用派遣労働者および有期雇用派遣労働者の契約終了のみで解雇しないことを称する書類

無期雇用派遣労働者を労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇しないことを証する書類。また、有期雇用派遣労働者についても、派遣契約終了時に労働契約が存続している派遣労働者については、派遣契約の終了のみを理由として解雇しないことを証する書類

上記については、既に提出されているものに変更があった場合に限ります。

  • ・ 労働者派遣契約の終了に関する事項、変更に関する事項及び解雇に関する事項について規定した就業規則又は労働契約の該当箇所の写し等
  • 15.労働基準法第 26 条に基づく手当を支払うことを規定した就業規則又は労働契約の該当箇所の写し等

無期雇用派遣労働者又は有期雇用派遣労働者であるが労働契約期間内に労働者派遣契約が終了した者について、次の派遣先を見つけられない等、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、労働基準法第 26 条に基づく手当を支払うことを規定した就業規則又は労働契約の該当箇所の写し等

上記については、既に提出されているものに変更があった場合に限ります。

手続き上のポイント

派遣免許の更新申請は、有効期間満了日の3か月前までに行います。尚、申請書には、手数料として労働者派遣事業所数に55,000円を乗じた金額の収入印紙を貼付して提出し無ければなりません。

また、労働者派遣事業の許可更新では「基準資産要件」「負債比率要件」「現金預金要件」の「3つの資産要件」を満たさなければなりません。

「3つの資産要件」の具体的な内訳は、直近の年度決算書(貸借対照表)で下記3要件です。

  • 基準資産要件:基準資産額(資産額ー負債額)2,000万円 × 事業所数
  • 負債比率要件:基準資産額(資産額ー負債額)≧純負債額×1/7
  • 現金預金要件:現金預金額≧1,500万円×事業所数

また、基準資産額又は自己名義の現金・預金の額が増加する旨を申し立てるときは、公認会計士又は監査法人による監査証明を受けた中間決算又は月次決算に加え、公認会計士又は監査法人による「合意された手続業務」を実施した中間決算又は月次決算でも可能となります。

合意された手続業務

合意された手続業務とは、公認会計士が依頼者との間で事前に調査手続の詳細について合意し、その合意された手続きを実施して結果を報告する業務です。

注意点

ただし合意された手続業務については、公認会計士であれば誰でも更新手続きを実施できるわけではありません。公認会計士の資格があっても、当該会社の顧問などを行っている場合は、独立性確保の観点から更新手続きを実施することはできません。

監査については、あくまで当該事業に関与していない公認会計士のみが実施可能となります。

更新できない場合

派遣免許の更新申請については、上記の書類などが揃っていても、下記の基準が満たされていないと更新できません。

キャリア形成支援制度の実施状況が基準未満

更新申請の直前の有効期間内において「キャリア形成支援制度を有すること」について許可の基準を満たす実施状況であったかを確認するとともに必要な指導を行い、例えば、計画はあっても実施されておらず、指導しても是正されないような義務違反がみられた場合は、許可基準を満たしていないとして、許可を更新できません。

雇用安定措置の基準状況が基準未満

更新申請の直前の有効期間内において、許可基準を満たす実施状況であったかを確認するとともに必要な指導を行い、それでも実施されないような義務違反が見られた場合、許可を更新できません。

更新できなかったら

もしも上記の許可更新の資産要件を満たすことができなかった場合は、更新ができず事業継続もできません。

しかしこのようなケースでも、新規許可申請を再度行うことにより一般労働者派遣事業を継続することが可能です。ただ実際には、新規の許可条件をクリアすることは難しいのが現実です。

あくまでも更新の際の資産要件をクリアできるように、しっかりとした資金計画を立てて、事業を遂行していきましょう。

派遣免許更新申請のまとめ

このように派遣免許の更新は、十分な時間と手間をかけて、資産要件等をクリアできるように準備しなければなりません。

派遣免許の更新では、日々の業務に集中して更新手続きが後手となり、許可更新できなかったという最悪の事態にならないように、計画的に更新に向けた準備を行うことが大切です。特に外部から取り寄せたり、作成に時間のかかる書類がある場合は、余裕を持った計画を立てて取り組むことで締め切りまぢかのトラブルを回避できるでしょう。

派遣免許更新申請は、事業の継続に欠かせない重要なプロセスのため、ぜひ計画的におこなってください。

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